「『カメラ1.0』はフィルム式のカメラ、『カメラ2.0』はデジタルカメラの時代だった。カメラ3.0は、写真撮影のあらゆる新しい可能性を開く、光照射野カメラの時代だ」とNg氏は語る。同氏はスタンフォード大学でこの光照射野技術を研究した後、2006年にLytroを創設した(創設当初の社名はRefocus Imaging)。
なかでも最大の可能性としてNg氏が挙げるのは、写真がよりダイナミックになることだ。このカメラを使えば、撮影者はスクリーンを見ながらピントを合わせられる。デモの1つでは、窓ガラスの水滴にピントが合っていたかと思うと、次の瞬間には同じ写真の中のニューヨークの摩天楼にピントが合った。
そうした双方向性は、カメラだけにとどまらない。同時に提供されるソフトウェアを使うと、同じ操作をコンピュータ上で行うことが可能だ。画像はLytroのウェブサイトに無料で保管したり、Facebookのページに埋め込んだりできる。発売時点で提供されるのはMac版のアプリケーションのみだが、Windows版も後日発売予定だ。Lytroは携帯電話向けのビューアアプリも計画している。
撮影後にピント合わせができるのがこのカメラの便利な点だとLytroは考えている。カメラをさっと取り出して、電源を入れれば、すぐに撮影できる。オートフォーカスシステムがピントを合わせるのを待つ間に、赤ちゃんの初めての笑顔が消えてしまうという心配はない。
「このカメラはインスタントシャッターを採用している。シャッターボタンを押せばカシャリ、という感じで、すぐに撮影できる。まず撮影して、後でピントを合わせるという、非常にユニークな機能だ。このカメラでは、撮影時に物理的にピントを合わせる必要がない」(Ng氏)
同社は、写真を撮影してすぐにピント合わせの操作ができると述べている。1.46インチのLCDディスプレイ上で画像を調整することもできるが、そうしなくてもよい。それほど小さな画面での操作には限界があることを考えれば、それはいいことだ。
興味深い特徴がもう1つある。Lytroは深度の情報を記録するので、その画像を3D表示できるという点だ。同社はこれを3Dテレビで示している。この画像情報は、Lytroを購入すれば誰でも記録できるようになるが、3D画像を表示する機能は、同社ソフトウェアの将来のバージョンで実現する予定だ。
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