KDDIは10月12日、グローバルにコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)サービスを展開する韓国CDNetworksを連結子会社化し、CDN事業に参入すると発表した。10月中にCDNetworksが発行する普通株式の85.5%を約1億6700万ドル(約128億円)で取得する。
CDNは、ユーザーに最寄りのエッジサーバからコンテンツを代行して配信することで通信速度を高速化するネットワーク。CDNサービスにより、コンテンツサーバのピークトラフィックを抑制できるほか、ウェブの高速化を図れる。KDDIが子会社化するCDNetworksは、韓国をはじめ、日本、中国、米国など世界31カ国70都市でCDNサービスを展開している。
KDDIグローバル事業本部グローバル開発本部長の松田康典氏はCDNetworksの強みとして、(1)アジアでの高い配信能力を持つ「グローバルカバレッジ」、(2)エッジサーバによるキャッシュ配信でコストを抑制できる「コンテンツアクセラレーション」、(3)プロトコルの最適化によりサーバとユーザー間の通信を高速化する「ダイナミックウェブアクセラレーション」を挙げる。
特にダイナミックウェブアクセラレーションについては、「グローバルで提供している事業者は非常に希有だと認識している」(松田氏)という。
KDDIでは近年、アジアパシフィックを中心に通信回線の増強を図っているが、それを上回るペースでネットトラフィックは急増している。特にアジア市場におけるトラフィックの成長が顕著で、2015年には世界でもアジア地域のトラフィックが最も多くなるとの予測もある。松田氏はトラフィックの急拡大はすべての通信事業者にとって大きな課題だとし、CDNを利用することでトラフィックの削減とレスポンスの向上が可能になると話す。
また、CDNはKDDIのクラウド事業においても重要な位置づけだとし、「クラウドが今後我々の主力商品になっていく中で、CDNは欠かせないコンポーネントになっていく」と説明。CDNにより、同社が国内事業の成長戦略として掲げている「マルチネットワーク」「マルチデバイス」「マルチユース」の3つの頭文字からなる「3M戦略」と合わせてクラウド戦略を加速させたいとした。
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