O2Oの課題を乗り越えるポイントサービス「スマポ」--提携店舗を順次拡大中

岩本有平 (編集部)2011年10月11日 18時44分

 ウェブサービスから実店舗への送客を行う「O2O(Online to Offline)」。店舗へのチェックイン時にクーポンを発行するFacebookの「Facebookチェックインクーポン」をはじめ、さまざまなサービスがこのO2Oの実現に向けた機能を提供しつつある。

 しかしその多くは、位置情報をもとに“だいたいその店舗の周辺にいる”ということを判断し、チェックインによる特典を付与している。クーポンなどであれば最終的に店舗に来店して利用することになるので問題ないが、このままでは「来店でポイント付与」といったサービスを提供することは難しい。

 サービスを利用する店舗からすれば、本当に欲しいのは「近所に来てチェックインするユーザー」ではなく、「必ず店舗の中に入り、店舗がアピールしたい商品の前に来てチェックインするユーザー」だ。位置情報だけでは集められない後者のユーザーをいかに集めるか、この視点をもとに作られたのが、スポットライトが提供する「スマポ」だ。

 スマポは、スマートフォンを使って店舗にチェックインすることで、ポイントを獲得できるアプリ。獲得したポイントは、提携する店舗のギフトカードやポイントに交換できる。現在はiPhone版のアプリのみを提供しているが、年内にもAndroid版アプリを提供する予定。

 このサービスの最大のポイントは、“実際に来店したユーザーのみにポイントを付与する”という点だ。位置情報で来店をおおまかに判定することに加えて、あらかじめ各店舗に専用の機器を設置する。これにより、ユーザーが店舗に来店してアプリを立ち上げれば、自動的に店内と認識し、チェックインが可能になるという。フロアごとに機器を設置すれば、フロアごとのチェックインも可能だという。


店舗内に入り、チェックイン可能になるとチェックイン先のリストに「Tap」が表示される。チェックイン後の画面には、店舗が広告を入れることもできる

 サービスインの9月時点で、大丸東京店をはじめ、ビックカメラ池袋本店、有楽町店、渋谷東口店の計4店舗に対応。10月には原宿、渋谷エリアのユナイテッドアローズ6ブランド10店舗にも対応した。このほか複数社とも導入の話し合いを進めており、年内5、6社でのサービス展開を目指すとしている。将来的には全国でのサービス展開も視野に入れる。

 成果報酬でのサービス提供を行う。ユーザーがチェックインするごとに、店舗から課金していく。「マス媒体に数億円使う企業であれば、その1割でもスマポに予算をもらえれば、直接的な集客ができる」(スポットライト代表取締役の柴田陽氏)


スポットライト代表取締役の柴田陽氏

 柴田氏は学生時代にSEOの会社を起業したのち、マッキンゼーに入社。同社入社後、「通常同僚などは休職してMBAを取りに行くところだが、休職し起業したかった」(柴田氏)との思いから2010年3月にコードスタートを設立。バーコードを読み取ってECサイトで価格を比較し、商品を購入できるiPhoneおよびAndroidアプリ「ショッピッ!」を開発した。

 その後同アプリは約40万ダウンロードを記録。コードスタートは設立約1年でアイ・エム・ジェイが子会社化するに至った。一方で新たなサービスの提供に向けて5月に設立したのがスポットライトとなる。「位置情報の“スポット”に光を当てるようなサービスを提供していきたい」(柴田氏)

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