サムスンはAppleに対し、オーストラリアにおける「Galaxy Tab 10.1」の販売許可につながる協定の締結を求めた。
本件を最初に報じたThe Wall Street Journal(WSJ)によると、サムスンは現地時間9月30日、シドニーにある連邦裁判所において、「iPad」を提供するAppleに対してある協定を提示したという。Appleがこれを受け入れれば、オーストラリアの店頭にGalaxy Tab 10.1が今週並ぶことになるという。両社ともに取引の詳細については明らかにしていない。
サムスンは何カ月も前からオーストラリア内の裁判所に対し、Galaxy Tab 10.1の販売を許可するようを強く求めていた。しかしこれまでのところ、同端末はiPadを模倣していると主張するAppleによって、同端末の販売は差し止められている。
サムスンは2011年8月、3種類の同社タブレットをAppleに提示することに同意し、その中でAppleが承認したものを同国内で販売すると述べ、両社間の対立はやや弱まったかのように見えた。しかし、サムスンはそのわずか数週間後、オーストラリアにおける同社タブレットの発売を9月末に延期すると発表した。Appleを逆提訴するためである。
同社は9月に入って実際にこれを実行に移し、AppleのiPadと「iPhone」の両製品がサムスンの無線技術の特許を侵害していると主張した。またサムスンは、AppleはGalaxy Tab 10.1に対する訴えを取り下げるべきだとも述べた。
Galaxy Tab 10.1を今週発売しようとするサムスンの今回の動きに対し、Appleはやや懐疑的な見方をしていると米CNETの姉妹サイトであるZDNet Australiaは9月30日付けで報じている。Appleの弁護士は反対尋問において、サムスンはわずか1週間で簡単にGalaxy Tab 10.1を発売できると主張したSamsung Australiaの通信部門を率いるTyler McGee氏を批判した。
Appleの弁護士は、同端末がAppleの特許を侵害していないかという点を最も懸念し、どのようにしてサムスンは、侵害しているとされる機能を取り除いた後にそれほど早くタブレットを発売できるのかと尋ねた。
サムスンにとっては幸運なことに、同社の望み通りに事が運ぶ可能性はある。WSJによると、Appleの弁護士であるStephen Burley氏は、同社としては疑問視する部分があるものの、合意が成立した場合、「(サムスンの)不自由は解消され、われわれも安堵することになる」と信じていると述べたという。
WSJによると、今回の合意は承認されたとしても一時的なものとなる見込みで、両社は引き続きオーストラリアの裁判所において、正式な判決が下されるまで議論を続ける必要があるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス