いつも通りの簡潔さにもかかわらず、米国時間9月27日の朝に届いたAppleのイベント招待状は思いを巡らせる部分が多かった。
言うまでもなく、「Let's talk iPhone(iPhoneを話そう)」というフレーズはAppleが新しいiPhoneを発表すると説明している。問題は、新しい電話機が2機種あるかどうかで、その場合、同社にとって初の試みとなる。
同じく不明なのが、Appleはホリデーシーズンを前に「iPod」シリーズのアップデートを行う予定がないのか、そして「Let's talk iPhone」のフレーズは、根強くうわさされていたAppleの音声コントロールテクノロジの強化も指しているのかどうかだ。
すべては来週、米国太平洋時間10月4日午前10時きっかりにスタートするAppleのイベントで判明するだろう。その一方、招待状から見て取れることもいくつかある。
招待状には不在着信/留守番電話があることを示すアイコンが表示されているが、そこにはただ1という数字が入っている。これが示唆するのは、新しい端末は2種類ではなく1種類だけということなのだろうか。2種類であるといううわさは以前からあったが、新しい端末の登場までにここ数カ月で再び話題に上っていた。
Deutsche Bankのアナリストは6月、Appleは2011年中の発売に向けて、新たなハイエンドモデルと、わずかな改良を加えた「iPhone 4」という2つの端末の設定に取り組んでいると語っていた。そしてその数日後、ベトナムのサイトTinhteにその可能性を示唆する証拠となる、プラスチックのiPhone 4ホワイトモデルのスクリーンショットが掲載された。同サイトは、iPhone 4を公式発表前に手に入れたところでもある。
最近では、中国のキャリアと進められている契約の一環として2種類のiPhoneが発売され、新しいiPhoneの発売の暁にはこのキャリアが取り扱う予定だとささやかれていた。そこに、J.P. MorganのアナリストであるMark Moskowitz氏が執筆し話題を呼んだレポートも加わり、話がややこしくなる。レポートで同氏は、新型iPhoneと同時により低コストで性能が向上したiPhone 4も発売され、2010年発売モデルのiPhone 4とあわせてAppleのiPhoneラインアップは3機種になると述べた。そして先週、元米副大統領のAl Gore氏が新しいiPhone(「iPhones」と複数形で表現)が2011年10月に登場すると語ったことも論争に拍車をかけた。
送られた招待状を受けてこの話題に加わってきたPiper JaffrayのアナリストであるGene Munster氏によれば、Piper JaffrayはAppleが2種類の端末を発売してくるとは思わず、既存の端末の値下げを行いつつ「iPhone 5」を発売してくると考えているという。
「iPhoneのローエンドモデルが出るとは思わない」とMunster氏は投資家向けのメモで述べている。「むしろ、Appleは最新デバイス(iPhone 5)を奨励金付きで199ドル/299ドル、前の世代のデバイス(iPhone 4あるいは「iPhone 4S」)を99ドルで販売してくるのではないかと予想する」(Munster氏)
これは、「iPhone 3G」と「iPhone 3GS」をより新型の端末と一緒に販売するというAppleがiPhoneで行ってきた販売戦略と合致する。
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