ようやく、地域の図書館から本を借りる時に、ヘビーメタルの曲を大音量で聴きながら選んだり、古典文学コーナーのかび臭い匂いを避けたりすることができるようになった。
「Kindle」書籍の貸出サービスが、米国の1万1000以上の図書館で開始されたからだ。
手続きはいたって簡単だ。まず、近くの図書館のウェブサイトで、このサービスを提供しているかどうかを確認する。次に、自分の図書館利用カードを使って、借りたいKindleの電子書籍をリクエストする。すると、そのユーザーのAmazon.comアカウントのサインインページにリダイレクトされるので、そこでサインインすると電子書籍が自分のKindleにオンラインで配信されるという仕組みだ。
シアトルの市立図書館長を務めるMarcellus Turner氏は、声明で次のように述べた。「各地の図書館を利用するKindleユーザーにとって、今日は喜ばしい日となった。(中略)Amazonが図書館の電子書籍について、読者体験を強化するこうした新たなアプローチを提供してくれたことを嬉しく思う」
実は、電子書籍の貸出サービスを手がけるのはAmazonが初めてではない。Barnes & Nobleの「NOOK」およびソニーの「Reader」ユーザーの多くは、すでに各地の図書館で同様のプログラムを利用している。
Amazonは、デジタル図書館の書籍に備わった付加機能をアピールしている。デジタル強調表示と欄外への書き込みツールだ。これらを使えば、図書館側から嫌な顔をされたり、利用を禁止されたりすることもない。
AmazonでKindle担当ディレクターを務めるJay Marine氏は、声明で次のように説明した。「通常、図書館の書籍への書き込みは大きなタブーとなっている。しかし、われわれは当社の『Whispersync』技術を図書館の書籍に拡張することでこの点を改善した。これによりユーザーの書き込みや強調表示、ブックマークは常にバックアップされ、次回その書籍をまた借りるか実際に購入した場合はそれらが表示される」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」