太陽光発電や風力発電をはじめとする自然エネルギーの普及を目的とした「自然エネルギー協議会」が7月13日に設立された。同協議会の事務局長を務めるソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、秋田県秋田市で開催された第1回総会後の報告会で「(協議会の設立は)未来に誇れる社会を作るための第一歩。記念すべき日になる」と意気込みを語った。
自然エネルギー協議会の設立が発表された5月25日時点では、19の地方自治体が参加を表明していたが、現在は35の地方自治体が参加している。孫氏は、「35の道府県の知事の皆様から活発な意見が出まして『秋田宣言』を発表することになった」と語り、協議会として(1)地域の特色を生かした発電、(2)新たな施策の導入、(3)先進事例の共有の3点を行動宣言として挙げた。
また、政策提言として(1)意欲的目標値の設定、(2)全量買取制度の早期制定、(3)地方公共団体の意見反映、(4)自然エネルギーの供給安定化支援、(5)技術開発の推進、(6)規制緩和の6点を挙げた。
特に、太陽光で発電したすべての電力を売電できる「全量買取制度」は早急に実施するべきだとし、さらに太陽光のみならずすべてのエネルギーを対象にするべきだとも強調した。「日本でも、やっと最近固定価格での全量買い取りの議論が始まっているが、すでに世界の数十カ国でこれが当然のように実施されている」(孫氏)。
さらに、既存の法律を徹底的に見直すべきだと主張した。例えば、工場立地法では、メガソーラーは工場として扱われるため、敷地面積の50%までしか建物を建てられない。また、風力発電所は建築基準法により高層建築ビルと同じ扱いになるため耐震設計が必要になる。孫氏は、これらの規制が自然エネルギー普及の妨げになっているとした。
また、混乱が続く国政について聞かれると、「政治的なことについて口をはさむべき立場ではない」と前置きをした上で、「この自然エネルギーの普及が、日本国民と国家の中長期のエネルギー政策において欠かすことのできないものだと思っている」とコメント。1日でも早く混乱を収め、国をあげた新たな時代へのビジョンを定めて欲しいと求めた。
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