AdAgeの報道によると、Googleは現在、データエクスチェンジ市場への参入に向けて取り組んでいるという。
データエクスチェンジは新しいものではない。同サービスを利用することで、ウェブサイト所有者は自らのサイトのユーザーに関するデータを潜在的な広告主に販売することができる。そのため、広告主はデータエクスチェンジによって、全てのユーザーの目にとまるページ上部のバナー広告を1つ購入する代わりに、モンタナ州在住の夫婦や新しいスマートフォンの購入を検討している人といったように、サイトを訪問する特定のユーザー層をターゲットとした広告が出せるようになる。
AdAgeは、Googleの計画について知っている「複数の幹部社員」の情報から、Googleがこのデータエクスチェンジを社内で「DDP」と呼んでいると報じた。AdAgeによると、Googleの計画は現在「DoubleClick」を使っているウェブパブリッシャーを中心に据えているという。そうしたウェブパブリッシャーは「広告スペースを販売するのと同じくらい簡単に、自らのユーザーに関するデータを同エクスチェンジサービスで販売できるようになる」とAdAgeは報じている。
Googleのディスプレイ広告担当バイスプレジデントであるNeal Mohan氏は、米国時間7月11日付けで掲載されたAdAgeとのインタビューの中で、従来型広告の在庫に加えてデータも同社の将来に影響を及ぼすはずだと述べた。
Mohan氏はAdAgeに対し、「われわれのビジョンが包括的なものであるなら、広告在庫だけでなくデータについても熟考する必要がある。われわれは、パブリッシャーと広告主もデータに対して同様にとらえてもらうよう取り組んでいる」と述べた。
現在、複数の企業がデータエクスチェンジ事業に携わっている。この分野で最も著名な企業の1つであるBlueKaiは、同社のサービスを利用することで、広告主は世界中の3億人のユーザーをターゲットにできると主張する。BlueKaiはNFLチケットからケーブルテレビアクセサリまで、さまざまな話題に関するデータをウェブパブリッシャーから収集している。BlueKaiによると、Nielsenも同サービスを通してデータを提供している企業の1つだという。
BlueKaiは公式サイト上で、同社が収集する情報は全て「匿名」だということをまず明言している。Googleがプライバシーやオンライン広告に関して詮索を受けてきたことを考えると、匿名性は同社のデータエクスチェンジにおいても重要な要素となるに違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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