NECは7月7日、2010年度のNECグループ環境活動実績を発表した。NECは、2010年6月に環境経営ビジョン「NECグループ環境経営行動計画2017/2030」を策定しており、このビジョンの達成に向けた環境活動を実施している。
このビジョンでは、「社会全体のCO2削減にITソリューションで貢献」「製品のエネルギー効率の改善」「生態系・生物多様性保全に向けた活動の強化」「資源循環、省資源の推進」の4つの目標を掲げている。また目標年度として、中期目標を「NECグループビジョン2017」と同じ2017年度に、長期目標を2030年度に設定している。
まず、社会全体のCO2削減については、当初想定していた197万トンを上回る212万トンの削減を達成した。広島大学に導入したネットブート型シンクライアントシステムや、ヤマト運輸に導入したエコナビゲーションシステム「See-T Navi」により、CO2の排出を抑制した。NECでは2017年度の貢献目標として1500万トンのCO2削減を掲げている。NEC執行役員常務の福井雅輝氏は「想定した達成の起動に乗っている。当初計画を上回る滑り出しができた」と胸を張る。
製品のエネルギー効率については、製品使用時のCO2排出量を2005年度製品比で53%削減した。NECが2008年に導入した「エコシンボルスター制度」に基づいた製品開発がCO2の削減につながったが、2010年度の目標である60%の削減には届かなかった。
生態系・生物多様性保全に向けた活動としては、植林や田んぼづくりプロジェクトなどの社会貢献活動に国内外から6211人が参加した。NECでは、2017年度にはこれらの活動を倍増したいとしている。
また、資源循環や省資源の推進として、ビジネスPC、決済端末、携帯型業務端末、照明器具の4製品群に、植物素材を原料としたバイオプラスチックを適用している。NECでは、2017年度にはすべての主要製品をバイオプラスチックに適用させたいとしている(性能が維持できない製品は除外)。
夏季の節電対策もグループ全体で実施する。東京電力管内では、週2回の輪番休日を拠点ごとに4グループに分けて実施するほか、空調設備などはガスエネルギーを利用する。東北電力管内は生産工場が中心のため、稼働維持を優先し輪番休日は実施しないが、データセンター以外の生産対応拠点で自家発電機を利用する。さらに、従業員の家庭に使用電力を見える化する「BIGLOBE エコバード Home」を設置し、節電を促すとした。
「これからしばらく続くエネルギー不足に対し、より少ないエネルギーで効率の良いビジネス継続をするため、診断(見える化)、対策、実施、運用管理によるトータルな“攻めの省エネルギー対策”を実現したい」(NEC環境推進部長の斎田正之氏)
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