NECは7月6日、Android端末やPCなど複数の端末に対応した「コンテンツ配信クラウドサービス」の販売を開始したと発表した。サービスの開始時期は7月末。
NECのコンテンツ配信プラットフォームは、電子書籍やニュース、映像、音楽などさまざまコンテンツを扱えるほか、PCやスマートフォン、タブレット端末、デジタルサイネージ用パネルなど複数の端末に対応することを特徴とする。
なぜNECがコンテンツ配信に取り組むかについて、「現在、コンテンツを提供する側は、フォーマットがばらばらで変換が大変だという課題がある。利用する側もいろいろな端末があるので、共有できないという課題がある。NECには365日稼働し続けるシステムの構築実績やメディア業界で培ったコンテンツマネジメントのノウハウがあり、多種多様な端末を提供している。端末からサーバまでワンストップで提供するのは、NECだからこそできること」(テレコム・コンテンツソリューション事業部事業部長の高石 勝氏)と自信を見せた。
NECはこれまで、放送局や新聞社、出版社向けにさまざまなコンテンツマネジメントシステムを提供してきており、さらにPCや携帯電話、スマートフォンの開発で蓄積された技術やノウハウを持つ。10年に渡って提供しているデジタルサイネージ市場の実績なども生かしたい考えだ。
まずは、社員向けに企業マニュアルや教育資料、セールスサポート向けのコンテンツを配信する企業内向けサービスからスタートする。同社が販売するAndroid搭載タブレット「LifeTouch」と共に売り込んでいく考えだ。システム利用料は月額1台あたり500円程度を見込む(端末料金別)。
2011年秋をめどに対応端末を広げ、課金システムなどを付加して企業が消費者に対してコンテンツ配信を行うサービスを開始する。さらに「実際にサービスを行わないと必要な機能が見えてこない」として、2011年度中にもNEC自身がコンテンツ配信サービスを開始する予定だ。配信コンテンツは現在複数の会社と話を詰めている最中という。コンテンツは、電子書籍や音楽配信などに何か1つに特化したものではなく、複数のコンテンツを扱っていく方針。「例えばあるスポーツ選手の映像と関連する書籍を販売するといったように、映画、音楽、電子書籍などカテゴリで分けずに、組み合わせることで総合コンテンツを目指す」としている。
ソリューションの販売目標は、2015年度末に累計1000社へのサービス提供を目指す。今年度の売り上げは3億円、2015年度までに累計100億円を目指すとしている。
なお、このサービスは7月7日~9日に東京ビッグサイトで開催される「国際電子出版EXPO」に出展される。
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