2005～2011年アップルの何がニュースだったのか--CNET Japan歴代記事ランキングで解く - (page 2)

神尾：話が膨らみすぎました。

別井：1位になったのはiPadでもiPhoneでもなく、iMacに関する記事なんです。

神尾：ほほう。興味深いですね。

別井：「開封の儀」というのは、購入してパッケージを開ける企画。まあ、ウチの社員が自腹で買って封を開けているんですが……。メモリー増設は、特に読まれていて、1年半以上たちますが、今でも閲読数は高い記事です。

神尾：09年って、iPhone3GSが爆発的に売れて、アップルユーザーに新参が増えたころですね。iPhoneを買ったことでMacを購入することを「ハロー効果」といいますが、この頃はこの効果がベラボーに高まった時期。同時にMacの性能を見ても、コストパフォーマンスが高まりました。

別井：一方で、8、9位にはドコモのPRADA Phoneの記事も。

神尾：当時は「iPhoneのライバル」なんて打って出たから、アップルユーザーも、余裕の気持ちで読んだんでしょうね。

別井：PRADA Phoneも、結局、それほど騒がれなかった。デザイン性なんでしょうか。

神尾：アップル製品は、アートデザインではなくプロダクトデザイン。デザイナーに託しただけの変にこだわるアートデザインは、寿命が短いし継承されない。ブランド化されないんです。アップルのプロダクトデザインは、シルエットを作る。たとえばiPhoneのように四角描いて丸みたいな。

別井：そういえばそうですね。シンボルに力がある。シンプルだからずっと騒がれるんでしょうか。

神尾：デザインアイデンティティーを作り出せば、他社が似たような製品を作っても、それが全部パクリに見えちゃう。

別井：Androidからも、製品がたくさん出ていますね。

神尾：アエラ読者には、Androidはお薦めしません。自己責任でウイルスをどうにかしなければならない、などという製品は薦められません。

別井：自由ばっかりあっても、ってところですね。

神尾：そうです。Androidには自由があるかもしれないけれど、秩序がない。一方でアップルは管理社会と言われるほど秩序を保ち、安全を担保しようとする。アプリ審査のように、脅かす存在は排除する。これって普通の現代社会です。秩序があるからこそ経済が発展する。銃を持っていないと安心できない西部開拓時代じゃないんだから。

別井：もうしばらくはアップル安泰、といったところでしょうか。

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