SAPジャパン、インメモリソフト「HANA」導入を支援--導入前に効果を検証

富永恭子 (ロビンソン)2011年07月05日 17時30分

 SAPジャパンは7月5日、インメモリソフトウェア「SAP HANA」の導入支援サービス3種の提供を順次開始すると発表した。インメモリ技術は、急激に膨らんでいる企業内のデータ群から瞬時に意思決定を行うためのリアルタイムに情報を分析する技術として注目されており、HANAの場合、演算エンジンとデータベース(DB)をメインメモリ上に統合してビジネスに特化した使いやすいデータモデリングツールと組み合わせている。

 今回発表された導入支援サービスは、導入前に効果を検証できる「データウェアハウス(DWH)高速化アセスメント」と「Proof of Concept(PoC)実機検証サービス」、分析テンプレートを活用して、効率的な導入を支援する「分析テンプレートを用いた導入コンサルティング」を提供する。

 まず、DWH高速化アセスメントは、導入前の机上シミュレーションサービス。既存のシステムに対し、目的や方法などを専門の導入コンサルタントが、既存システムのチューニングなどによる解決方法とSAP HANAを活用した解決方法をあわせて検証し、比較、検討できる。システムのチューニングなどをした場合とSAP HANAを導入した場合、それぞれの費用対効果を、定性、定量化されたレポートで事前に確認できる。現状と最善策を多角的に比較でき、DWHや分析レポートの課題に対して企業の意思決定も迅速化できるという。

 次にPoC実機検証サービスは、ユーザー企業の実際のデータをもとに、SAP HANAをユーザー企業自ら検証したいというニーズに対応した検証サービス。SAPジャパン内にあるSAPグローバル共同開発センターの「COIL Tokyo (SAP Co-Innovation Lab Tokyo)」で、ユーザー企業の環境を再現した実機で、検証できるという。ユーザー企業は、実際のDWHのパフォーマンス上の課題がどれくらい改善するかを体感し、投資判断ができるとしている。一連の構築作業を導入コンサルタント支援のもとに経験できるため、確実な導入計画を立案できるようになるという。

 3つめの分析テンプレートを用いた導入コンサルティングサービスは、販売や在庫、購買、会計管理の各分野で、事前定義、かつテスト済みの分析テンプレートと定義文書を用いたサービス。 システム構築では、勘に頼った導入やトライ&エラーの作業は最小限にする必要がある。同サービスでは、SAPジャパンのこれまでの統合基幹業務システム(ERP)パッケージ導入経験を活かしたテンプレートと定義文書、SAP HANAの導入方法論を熟知したコンサルタントによって、投資対効果(ROI)の高い導入を支援するとしている。

 検証期間は、DWH高速化アセスメントが約1週間、PoC実機検証サービスが約1~2カ月間。同日から提供が始まっている。分析テンプレートを用いた導入コンサルティングサービスは2011年第3四半期に提供する。

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