ミルモと電通は、7月1日からスマートフォンやタブレット端末向けのコンテンツ配信プラットフォーム「ROTA2U」の提供を開始した。また、これと同時に、音楽、動画配信アプリケーション「madia2U」も提供し始めた。当初はAndroid向けに提供する。
ROTA2Uは、ミルモのコンテンツ配信システム「ROTA(Rich Media Over The Air)」と電通の著作権管理方式「DRPC(Digital Rights Permission Code)」を軸に開発し、日本マイクロソフトのデジタル著作権保護技術「PlayReady」とクラウドプラットフォーム「Windows Azure Platform」を組み込んでいる。具体的な配信プラットフォームとしては、動画配信の「R2U Video」と音楽配信の「R2U Music」の2つがある。
最大の特徴はマルチOS、マルチデバイス、マルチユースに対応していることで、コンテンツプロバイダー(CP)などのサービス提供者はそれぞれのOSやデバイスごとにコンテンツを用意する必要がない。それぞれの技術の特徴は以下。
ビジネスモデルとしてのサービス展開は2つある。1つは、media2UなどR2Uアプリにストアを出店してサービスを展開するテナント型で、もう1つは独自ブランドとしてアプリを展開する独自店舗型。また、ROTA2Uのプラットフォームで広告を販売するシステムの提供も予定している。
このほか、今後の展開として11月までに電出版配信プラットフォーム「R2U eBook」と、ゲーム配信プラットフォーム「R2U Game」を提供する。デバイスの対応は7月からスマートフォンとタブレット、10月からPC向け、11月にスマートテレビに対応し、Androidから開始しているOSも、Windows PhoneやiOSにも順次対応させる。さらに、日本国内だけでなく、中国や台湾などのアジア展開でも話を進めており、北米、欧州など海外展開も視野に入れている。
ミルモの代表取締役社長である横地俊哉氏は、「どのような形でコンテンツを提供すればエンドユーザーに対して一番便利なのかということをこの3年間考えてきたが、その結果がROTA2Uだ」とし、「震災もあって日本の景気が沈んでいる状況にあるが、これからは日本のコンテンツ事業を世界にどんどん展開していきたい」と語った。
また、電通の取締役常務執行役員である秋山隆平氏は、「ROTA2Uプロジェクトは、電通にとって新しい事業領域に進出する先駆けとして位置づけている。電通のDRPCプラットフォームはオープンなサービスであり、ROTA2Uプロジェクトだけでなく、さまざまなコンテンツ流通サービスの基盤として展開していくが、まずはROTA2Uプロジェクトでしっかりした土台を築き、日本発のコンテンツ流通の新たなビジネスモデルとして、世界と闘っていけるよう注力していく」と抱負を述べた。
さらに、日本マイクロソフトのコミュニケーションズ・セクター業務執行役員である横井伸好氏は、「我々もコードネームでWindows Phone Mangoと呼んでいるスマートフォンの日本展開をいま鋭意準備している。新しいコンセプトで使いやすく、ネットワークと非常に親和性の高いこのWindows Phoneを配信先として、今後協業を深めていきたい」と述べ、端末を見せた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス