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撮影後にピントを合わせるカメラ--Lytroの技術と成功への課題 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年06月29日 07時30分
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 第3に、Lytroは撮影後にカメラやコンピュータで写真に加工する方法について、ユーザーをトレーニングする必要があるだろう。だからといって、JPEGを電子メールで送信したり、Facebookに投稿したりできるようにもすぐにはならないだろう。Lytroは開き直って、同社の画像をユーザーが写真のピントを探ることのできる「living photo」(生きた写真)と呼んでいるが、現在のところliving photoは「Flash Player」を使用しており、周到に圧縮され、あらゆる機器で読み取り可能なJPEGに利便性の面で大きく劣っている。 筆者の「iPad」では、「living photo」は静的なJPEGイメージとして表示された。

Lytroのロゴ

 ただし、ピントについて悩まなくてもいいというアイデアには別の嬉しい要素もある。人々が比較的高価な一眼レフカメラを購入するのは、シャッターボタンを押してから実際に写真が撮影されるまでに長い遅延が発生するオートフォーカスカメラに不満を抱いているからだ。カメラがピントを探している間に、かわいらしい笑顔を見せている赤ん坊は笑うのを止め、ホームベースにスライディングするシーンは終わってしまう。

 写真愛好家の間でも同様のことを確認することができる。RAW画像フォーマットだ。ハイエンドのカメラは画像センサデータを単にRAWファイルとして記録することが可能で、ユーザーは撮影後にソフトウェアを使ってその写真を加工することができる。このアプローチにより、高画質の写真の柔軟性の高い加工が可能だが、煩わしい作業も増える。撮影した写真をRAWファイルで保存する行為は広まってきているように思えるが、メインストリームのユーザーが近い時期に採用しそうな徴候は全くない。

 Lytroのアプローチはまた、コンピュータがカメラの光学的な限界を超越するコンピュテーショナルフォトグラフィというアイデアを利用する、強力なものでもある。実際の例として、平行線が内側や外側に湾曲するゆがみや画像の輪郭が暗くなるビネットなど、レンズの弱点の修正が挙げられる。

 光照射野技術による写真撮影はこうしたトレンドの極端な例だ。この技術は、今日のカメラの複雑かつ高価で精巧に作り上げられた光学技術を事実上、データ処理で置き換える。そして少なくともこの数十年、ムーアの法則が示す進歩はカメラレンズ技術の進歩よりも目覚ましい。

 カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くLytroは、そうしたアイデアにシリコンバレーの起業家精神の行動様式を持ち込んだ。同社は44人の従業員を抱えており、3回の投資ラウンドで5000万ドルを調達している。最も多くの金額を出資したのは第3ラウンドのAndreessen Horowitzだ。キヤノンやソニーのような企業を相手に戦うのは簡単ではないだろう。しかし、カメラ市場は大規模なので、そうした企業を蹴落とさなくても成功することは可能だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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