発売から1年も経っていないAppleの「iPhone 4」が「Flickr」の人気カメラチャートで、ニコンのミッドレンジ一眼レフカメラ「D90」を2位に退けとして首位に立った。
このことは、iPhoneの着実な普及拡大を考えると、それほど意外なことではないが、それでも注目に値する。カメラの代わりに、スマートフォンが人々の生活を視覚的に記録するデバイスになりつつある。
オートフォーカスデジタルカメラはいくつかの点で不利である。第一に、ユーザーは常に携帯電話を持ち歩くが、カメラは持ち出さないことが多い。スマートフォンに搭載されるカメラの画質が着実に向上するにつれて(iPhone 4のカメラは特に高い評価を得ている)、この傾向は加速している。専用カメラは今後も画質面での優位性と堅実なユーザーベースを維持するだろうが、スマートフォンがあれば十分という場面はますます増えている。
第二に、スマートフォンで撮影した写真は、Facebookへの投稿や祖父母への電子メール送信、「Hipstamatic」アプリでの加工と「Tumblr」への投稿、従来の郵便で配達される絵はがきの作成などを簡単に行うことができる。ネットワーク機能を備えたカメラもいくつかあるが、通常はWi-Fiにしか対応していない。Wi-Fiは携帯電話のデータネットワークに比べると利用できる範囲に大きな制約がある。
Flickrが発表した統計情報には、統計的に注目すべき要素がある。この統計情報はアップロードされた写真の純粋な量ではなく、Flickrの日々の利用状況を反映している。したがって今回の人気チャートの場合、1日に1枚の写真をアップロードするユーザーの方が、1カ月に1日だけ300枚の写真をアップロードするユーザーよりも多くカウントされる。
このことは、別の方法で人気度を測定すれば、結果が変わることを意味している。iPhone 3GとiPhone 3GS、およびiPhone 4でアップロードされた写真は計5520万枚だが、NikonのD90は計5790万枚だ。
別の要素もある。この統計はクラスやカテゴリ、製品ファミリーではなく、特定のモデルに焦点を当てることに優れている。Appleは数種類のiPhoneモデルしか販売していないが、Androidの市場シェアは何百種類もの製品を網羅している。それらをひとまとめにするとAndroidは間違いなく一大勢力だが、Flickrでそれを実感するのは難しい。筆者が発見した中で最も人気の高いAndroid携帯電話はHTCの「Evo 4G」だが、それでもFlickrにアップロードされた写真はわずか180万枚である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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