スカパーJSATホールディングスは5月12日、2011年3月期(2010年4月~2011年3月)の通期連結決算を発表した。売上高が2期ぶりに増収になったほか、新規加入者件数が58万件と過去最高を記録した。
売上高は前年度比0.6%増の1418億5000万円、営業利益は同10.5%減の135億円、純利益は同68.9%減の44億円となった。同社代表取締役社長の高田真治氏は「ワールドカップ関連費用増などもあり、減益となったが、視聴料収入は増加したほか、経費削減、事業効率化も推進された」と振り返った。
新規加入件数とともに、再加入件数も過去最高の6万件となった。「解約もあったので、純増は3万8000件程度。NetAPRUが2009年実績の1401円から1489円に上がったほか、ハイビジョン化率が同6.1%から19.2%へと上昇した」とまとめた。
決算とともに発表された2015年度までの中期経営計画でも、「スカパー!HD移行促進と顧客規模の維持」を掲げており、スカパー!SD(MPEG-2)からスカパー!HD(H.264)への移行環境を整えるとのこと。具体的にはセットトップボックス(STB)のラインアップを整備、拡充するほか、HDチューナレンタル無料キャンペーンなどを実施し、2013年度末までに完全移行を目指すとしている。
スカパー!e2に関しては「デジタルテレビの普及、新BS放送のスタートなどの市場背景に合わせた、新たなマーケティング戦略を展開しなければならない。10月にスタートする『BSスカパー!』と合わせ、BS、CSを組み合わせた加入獲得をしていく」とした。
また、新たな展開として「ネットを利用したモバイル端末、PC、ネットテレビ向けのサービスを開始したい」とネット、モバイルサービスの開発についても明らかにしており、「番組情報などのメタデータを活用し、さらにテレビライフを楽しくする支援環境を整える」と意欲を見せた。
こうした取り組みにより2015年度のグループ連結業績は売上高2000億円以上、営業利益200億円以上を目指すとしており、加入件数は400万件以上を達成するとした。
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