Crecente氏は、任天堂の発表が「Wiiの販売はすでに大きく後退し始めているという同社の認識」に関係していることは明らかだと思う、と付け加えている。「Wiiに関心を持った第1陣のゲーム愛好者と家庭の大半はすでにWiiを持っている。任天堂は現時点ですでに、新しいゲーム機と、それを利用して再びゲーム市場を拡大することに期待をかけているのだと思う」(Crecente氏)
しかし、Wiiはまだ現役だと言う人もいる。Electronic Entertainment Design and Research(EEDAR)のビデオゲームアナリストJesse Divnich氏は次のように述べる。「Wiiの後継機の発表は、Wiiの現在の販売動向にほとんど影響しないだろう。現在のところ、Wiiの主なターゲット市場は価格に敏感な消費者であり、価格に敏感な消費者は新しいハードウェアの発表には関心がなく、それを意識しない可能性が高い。例えば、『Ford F-150』の2012年型車が発表されても、そのことでFord F-150の2005年型車を中古で購入しようとしている消費者が購入を思いとどまることはほとんどないだろう。同じ理屈だ」
Wiiの将来を巡る最大の疑問は、任天堂が今後どのような価格設定をするかということかもしれない。Wiiは現在、多くの小売店で「Wii Motion Plus」コントローラといくつかのソフトウェアとのバンドルで、169ドルで販売されている。その価格を任天堂が5月15日までに150ドルに下げるのではないかという推測もある。具体的な価格はさておき、値下げが予定されているということには誰もが同意するようだ。
しかし、Lazard Capital MarketsのアナリストColin Sebastian氏は、任天堂は今すぐではないとしても、最終的に99ドルにまで値下げする可能性もあると思う、と述べている。
任天堂にコメントを求めたが、得られた回答は25日の発表の主要な点を繰り返すものだった。
Wiiの後継機についての確実な情報がない現状で、主な疑問となるのは、任天堂が新機種をXbox 360やPS3のパワーとパフォーマンスに匹敵する、またはそれらを上回るものにしようとしているのかどうかということだ。この3種のゲーム機はいずれも、リリース時期が1年と離れておらず(Xboxは2005年、WiiとPS3は2006年)、当初は3つの「次世代」ゲーム機として一括りで扱われたものの、ほとんどすぐにWiiが別のカテゴリに属する製品であることが明らかになった。高解像度は追及せず、代わりにシンプルで簡単にゲームをプレイできる操作性と、極めて直感的に操作できる新しいコントローラに注力したWiiは、スペック面では常に競合製品に後れをとっていた。
しかし任天堂には、いまや競合製品に追い付き、競合製品を追い越すことさえできるチャンスがある、と考える人たちもいる。任天堂の新ゲーム機が2012年にリリースされたとき、Microsoftかソニーの現行機種よりも高くなること(IGNでは350ドルから400ドルの間になると予想している)はほぼ間違いないが、新機種は、メインストリームのカジュアルゲーム市場での優位と、大成功を遂げたファーストパーティパブリッシングモデルの両方を活かそうとする任天堂の試みを示すものになると一部で予測されている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来