オープンソースであるLinuxのコードの利用に特許権の侵害に当たる部分があるとしてGoogleが訴えられた訴訟で、テキサス州の陪審がGoogleに不利な裁定を下した。Linuxの技術やオープンソースの別のシステムを利用している他の企業にも大きな影響が出るおそれがある。米国時間4月15日に出した評決で、陪審は特許権の侵害に対しGoogleが500万ドルを支払うべきだと判断した。
訴訟は2009年6月にBedrock Computer Technologiesという企業が起こしたもので、同社は被告としてYahoo、MySpace、Amazon、PayPal、Match.com、AOLなどの名前も挙げている。Bedrockは、提訴した当時報道されたように、有名な特許改革支持者が設立した会社で、パテントトロール企業だと非難されている。Bedrockが問題にしたのは、「分離連鎖と期限切れデータのオンザフライ除去を組み合わせたハッシュ法を使い情報の記憶と検索を行う方法と装置」に関する特許(特許番号5893120)の侵害だ。
Linuxカーネル自体、つまりオープンソースのOSであるLinuxの中核が問題にされているため、Googleだけでなく、判決がまだ出ていない他の被告にも影響が及ぶ可能性がある。
特許や知的財産(IP)に関する活動家のFlorian Mueller氏は4月21日のブログ投稿に、「Googleは、もしそうするしかなければ簡単に500万ドルを支払えるが、特許権侵害訴訟のこの判例は、IT業界一般、とりわけLinuxに大きな影響を与える」と書いている。「原告はLinuxカーネルの一部を、『提訴の対象となった手段』の一部と見なした。Linuxを利用している多くの企業がすでに、特許使用料を払うようこの特許権者から要求されており、今回の評決に基づいて、これまでよりさらに多くの企業が支払いを決めるだろう」
論争になる可能性があるのはモバイルOSの「Android」だ。LinuxをベースとするAndroidは急成長を続け、モバイル(およびタブレット)機器のソフトウェアアーキテクチャとしてさまざまな変種を生み出している。
Muller氏は、Googleだけでなく、LinuxソフトウェアのメーカーであるRed Hatもこの特許が無効であることを証明しようとしていたと指摘する。この裁判の被告の中には、Red Hatの複数の顧客が含まれている。
Googleの広報担当者は、「Googleは、オープンソースコミュニティーにおけるこのような攻撃に対し、今後も闘うつもりだ」と述べた。「近年急増する特許告訴は、世界の情報ハイウェイを有料道路に変え、古く疑わしい特許クレームを守るために何百万ドルもの支出を企業に強い、ユーザーおよび雇用創出のためになる新技術への投資に使われるべきであるリソースを浪費している」(Google広報担当者)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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