2008年にローンチされ、183カ国で公開されているクラウドソースのウェブ地図アプリケーション「Google Map Maker」が、遂に米国でも提供されることになった。Map Makerは米国におけるGoogleの地図サービスにとって重要な機能追加で、それによって地図の詳細さと有用性が今よりも格段に向上する可能性を秘めている。
一部の国々(Map Makerの技術を統括するLalitesh Katragadda氏が筆者に話したところによると、ルーマニアなど)では、Map Makerのユーザーが完全な地図を一から作成してきた。米国ではMap Makerの編集機能を利用することで、より多くの商業データ(店舗や商店などの位置情報)や現状では欠落している極めて具体的な道路情報(例えば、道路工事に伴う一時的な道路封鎖)を追加できるようになる。このデータは、Google Mapsと「Google Earth」、Googleのモバイル製品の全てで利用可能だ。Googleのルート案内サービスは、交通に関する最新情報を考慮に入れるようになるだろう。
Katragadda氏は、小さな町において土地や商店の所有者がGoogleの位置情報の表示方法に興味を持ち、近くの公園の道などを地図に追加して近辺地域をより魅力的に見せるようになるのではないか、と考えている。
ログイン済みのGoogleユーザーであれば誰でも地図を編集できるが、新しい参加者が追加した変更は全てのユーザーに公開されるリアルタイム地図に自動的には反映されない。ユーザーが追加した最新情報は、実績のあるユーザーに編集内容の承認/却下の判断(あるいは差し戻して内容を修正してもらう)を求める検証プロセスを経ることになる。ユーザーが修正を求められることなく編集内容を投稿できるようになるに従って、承認プロセスを経ずに公開地図をアップデートし、自分自身がほかのユーザーの編集内容を検閲するモデレーターになる道が開けてくる。
Map Makerの狙いは「有機的な」Google Mapsを作ることだ、とKatragadda氏は話す。完全な承認を得たユーザーによるアップデートは「数分」で反映され、ルート案内サービスはすぐにその最新情報を利用する。従って、最近流行の移動式レストランのような移動店舗所有者は、一刻も早く承認を得たいと思うだろう。ただし、米国時間4月19日の発表にモバイル向け地図編集コンポーネントは含まれていなかった。Map Makerの使用にはフルウェブブラウザが必要となる。
Map Makerツールに対するアップデートにより、「Google Street View」の画像も確認できるようになるため、地域の地図製作者はその画像を利用して地図データの作成や編集を行うことができる、とKatragadda氏は付け加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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