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Twitterのトップ交代--Facebookとの比較から考える問題点 - (page 2)

Caroline McCarthy (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年04月20日 07時30分
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 しかし、(これは筆者の2つめのポイントだが)Twitterがこれらの問題をFacebookほどうまく切り抜けられるという保証はない。なぜなら、Twitterには気取った鳥のモチーフや、ヒップスターTシャツを着た幸せそうなエンジニアが登場する宣伝用動画があるとはいえ、力強く大胆で、明確なビジョンを持ったリーダーがいないからだ。Facebookの中核にあるのは「Mark Zuckerberg制作」という言葉で、これは同社サーバ上にあるすべてのページの下部に小さな文字で表示されていた。確かに、Facebookの起源については異論が唱えられており、同社の投資家や上級幹部には名字がZuckerbergでない人がいるのも事実だ。しかし、すべてのトップに立つのはZuckerberg氏であり、そのことに議論の余地はない。Twitterでは、Dorsey氏を「エグゼクティブチェアマン」として招いたCostolo氏が本当に実権を握っているのだろうか。Evan Williams氏がCEOを退いたにもかかわらず未だに同社の筆頭株主であるという事実は、何らかの影響を及ぼすのだろうか。

 David Kirkpatrick氏が執筆したFacebook公認の書籍「The Facebook Effect」からは、事業経営に関する難解な教訓を数多く得ることができる。中でも重要な教訓は、Facebookが経営と文化の両面で最も不安定だった時期は、多くの人が経営に参加しようとしていたときのようだというものだ。Kirkpatrick氏によると、初期の投資家との会合の後、Zuckerberg氏はレストランのトイレの床で涙を流していたという。Facebookが収益を最優先すべきかどうかをめぐって複数の幹部社員が衝突したことで、同社史上最悪の内輪もめのいくつかを招いた。広告業界のさまざまなパートナーが参加した広告プログラムを含む、Facebook初の大規模な製品ローンチは完全な失敗に終わった。Facebookは成熟した企業であり、これらの関係のバランスを取る術を心得ている。あるいは、Zuckerberg氏という断固とした自信を持つCEOを擁する企業だ。同氏自身の誇大妄想とされるものがFacebookを何度となく救ったのかもしれない。Twitterは成熟した企業ではない。そうなろうとしている企業だ。そして、同社では誰も積極的に指揮をとろうとしていない印象がますます強まっている。

 Business Insiderが初期のTwitterのブレーンだったNoah Glass氏の追放に関する解説記事の中で述べたように、Evan Williams氏は狡猾な人物かもしれない。しかし、Zuckerberg氏は牛の角を掴むようにFacebookを掌握したが、Williams氏はTwitterの角(というより羽)を捕まえたわけではない。Fortuneによると、Dorsey氏はTwitterへの復帰に関して完全にコミットしているわけではないという。また、Facebookに投資している人々はZuckerberg氏のチームに影響を及ぼしたが、Twitterに投資している人々は同社に対してそれよりもはるかに大きな影響力を持っているようだ。

 Twitterの真の問題は、「ロッキー&ブルウィンクル」の悪役のような人物が同社の役員会に潜入してGoogleやFacebookに内部情報を売り渡しているのか、ということではない。問題なのは、あまりにも多くの人々が権力の座に就いており、Twitterの本当の顔は自分だと積極的に宣言する男性(ここで対象になっている人物は全員が男性)や、そう宣言できる男性が誰もいないということだ。ほかにも、Twitterには新しいテクノロジブランドにとってはごく普通の問題が数多くある。同社は成長を持続させ、サーバの可用性を維持する必要があり、多くの「受動的な」ユーザーをTwitterのパワーユーザーであるAshton Kutcherのように熱心な貢献者に変える方法を見つけ出さなければならない。上層部の誰が実際に指揮を執っているのかがはっきりしないことはマイナスである。

 それは不快な印象を与えるかもしれない。(例え話だが)血が流れる可能性もある。こうした状況は、Larry Page氏がGoogleのCEOに復帰して以来みられてきた。シニアバイスプレジデントが1人既に退社しており、Page氏が官僚体質を一掃する取り組みを進める中で、さらに多くの幹部社員の辞任がうわさされている。しかし、Twitterは今でも最新のトレンドという脆弱な殻で守られたサービスという要素が強い。多くの仕事熱心な新聞記者やJustin Bieberファンの女の子などに守られてはいるが、まだ平均的なウェブユーザーはアクティブな参加者になっていない。Twitterは未だに多くの点で不安定であり、経営陣の混乱によって機能しなくなってしまう可能性もある。

 誰がリーダーに名乗りを上げるのか、またそれに関してどの程度真実が明かされるのか、筆者には分からない。だが、Twitterに必要なのはSteve Jobs氏のような「ビジョン」というよりも、むしろ実際的なリーダーシップではないかと筆者は考えている。皮肉なことに、Twitter経営陣の混乱の原因こそが、まさに同製品自体がこれほど特別なものになった理由である。公開当初から、Twitterの美点は一般の人々が柔軟に使えることだった。例えば、Twitterは中東のニュース速報プラットフォームになったかと思うと、次の瞬間にはConan O'Brienの短くて気の利いたジョークが表示される。そして、その「ビジョン」はマーケティングとデジタル製品に関して申し分のない専門知識を持つ幹部社員ではなく、ユーザー自身によって決定される。

 ユーザーにビジョンを押しつければ、ユーザーは間違いなく去って行くだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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