米連邦通信委員会(FCC)は、3月に発表されたAT&TとT-Mobile USAの390億ドル規模の合併提案に対する調査プロセスを正式に開始した。
FCCは調査プロセスの手続き上の規則を示す公示をウェブサイトに掲載(PDFファイル)し、提案されている合併について一般の人々が確認できるようにする方針を示した。FCCが無線通信免許の移譲を検討するなか、AT&TとT-Mobile USAは4月末までに正式な申請書を提出する予定だ。
FCCは調査プロセスの詳細についてまだ議論を始めていないが、米国時間4月14日に記者会見を開き、この取引の審査方法を広範にわたって説明した。具体的には、FCCは2つのことをするという。第1に、この取引が米通信法およびFCCの規定における特定の要件を満たすものかどうかを判断する必要がある。第2に、合併が公益に沿うかどうかを判断する。
FCCは米司法省と協力する予定だ。司法省では合併を審査して、独占禁止法に違反しないことを確認する。
FCCにとって「公益」の評価には、合併が競争にどのような影響を及ぼすかといったことが含まれる。これは標準的な独禁法調査より広範にわたるもので、この取引が新しいサービスの展開を促すことになるかどうかを検討する。
FCCは「ハーフィンダールハーシュマン指数(HHI)」と呼ばれる指標を使って、特定の市場への寡占度を測ることになる。FCCはまた、周波数帯の範囲を評価して、どの程度の帯域をモバイルサービスの特定の市場で利用できるかを検討する。さらに、この帯域のうちAT&TとT-Mobileが使用している割合を評価する。
AT&Tは、無線データサービスに対する需要の高まりに対応するうえでT-Mobileの周波数帯が助けになると主張している。T-Mobileが2006年に獲得したAdvanced Wireless Services(AWS)周波数帯を、AT&Tは4G LTEネットワークに利用する計画だ。同社はまた、2008年に行われた700MHz周波数帯の競売で落札した帯域も、このネットワーク向けに利用する。具体的には、T-Mobileの帯域が、ニューヨーク市などすでに混み合っている市場で混雑を緩和することに役立つと、AT&Tは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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