auの「LISMO!」が5周年--スマホ時代への次なる一手

 auの総合音楽サービス「LISMO!(リスモ)」が5周年を迎えた。

 LISMO!は、KDDIがau携帯電話とパソコン向けに提供する音楽サービス「au LISTEN MOBILE SERVICE」の略称で、2006年1月にサービスを開始した。以後、コンテンツの幅を広げ、現在は音楽サービス「LISMO Music」に加え、映像サービス「LISMO Video」や書籍サービス「LISMO Book」、ラジオサービス「LISMO WAVE」を提供している。

5周年を迎えた音楽サービス「LISMO!」

 auを代表するサービスに成長したLISMO!だが、この5年間で携帯電話向けのコンテンツビジネスはどのように変化したのか。今後の展開も含め、KDDI メディア・CATV推進本部メディアビジネス部長の八木達雄氏に聞いた。

--改めて「LISMO!」について教えて下さい。

 音楽、映像、書籍などのサービスをひっくるめてLISMO!というブランドの下で展開しています。例えば、音楽では着うた、映像ではオリジナルドラマ、書籍ではコミックや電子書籍などを配信しています。すべてのサービスを合わせると月間の訪問者数は1000万人ほどです。また、音楽は男性が約6割、書籍は20~30代が中心など、カテゴリによって利用者の性別や年齢層も異なっています。

--1月には全国52局のFMラジオをエリア制限なしに聴くことができる「LISMO WAVE」が開始されましたね。

KDDI メディア・CATV推進本部メディアビジネス部長の八木達雄氏

 最近はラジオを聞く人も少なくなってしまいましたが、実際にラジオというものを見直してみると面白いコンテンツが沢山あります。そこでLISMO WAVEとしてラジオサービスを開始しました。反響としては、やはり放送エリアが制限されていないことに対する驚きの声が多かったですね。特に日ごろからラジオ聞いている方には響いているようです。

 放送エリアについては早い段階から各所にお話をしていて、取り組み自体には賛同していただいていましたが、著作権など権利関係の調整が大変でした。通常のコンテンツ配信と同様の処理が必要になるため、著作権管理団体や原盤を管理されているレコード協会の許可、アーティストの出演料など、現在調整中の部分もありますが、かなり苦労しました。

--LISMO!と言えばTVCMに登場するアーティストや楽曲が印象的ですね。

 新たなアーティストの発掘については意識しています。LISMO!はコンテンツ流通プラットフォームですが、もう一方でメディアとしての価値を高めたいという思いがありました。そこで2008年にアミューズと共同でA-Sketch(エー・スケッチ)というレーベルを立ち上げ、flumpoolやWEAVERなどのアーティストの育成を行ってきました。

--LISMO!という競合他社にはないブランドを構築できた要因は何ですか。

 KDDIでは、2002年に他社に先駆けて“着うた”の提供を開始したのですが、これがLISMO!のブランディングに大きく寄与したと思っています。その後も、着うたフルやビデオクリップ配信をいち早く提供することで、2006年ごろのアンケートでは7割近い顧客が「音楽と言えばau」と想起してくれるようになりました。これがLISMO!にも影響しているのではないでしょうか。

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