スキャン代行「ScaNow」、書籍の引き取りサービス開始--権利者との話し合いも進める

 エージェントゲートは4月1日、スキャニング電子化サービス「ScaNow」において、宅配便による書籍の引き取りサービスを開始した。

 ScaNowは、ユーザーが持っている書籍や写真、書類などのスキャン代行サービス。書籍であれば1冊100円からサービスを提供している。

 これまでスキャンを依頼する書籍や書類は、ユーザー自身が送付する必要があったが、今回、通常運賃よりも安い宅配料金で引き取るサービスを開始した。沖縄県や離島など一部の地域を除き、梱包サイズ、ルールに応じた一律料金で引き取る。詳細以下のとおり。

  • 60cmサイズ未満:600円(通常運賃:700~1200円程度)
  • 80cmサイズ未満:700円(通常運賃:900~1400円程度)
  • 100cmサイズ未満:800円(通常運賃:1100~1600円程度)
  • 120cmサイズ未満:900円(通常運賃:1300~1800円程度)
  • 140cmサイズ未満:1000円(通常運賃:1500~2000円程度)

 エージェントゲートでは、サービス開始にあわせてキャンペーンを実施する。6000円以上の注文で書籍を送付する場合は、1箱目の送付が無料となる。2箱目以降、または注文金額が6000円以下の場合は、1箱600円となる。期間は5月末日まで。

 エージェントゲートによると、現在同社には月間1万冊のスキャン依頼があるという。その多くが電子化されていない古い書籍や資料の電子化を依頼するもの。法人のニーズも少なくないという。

 同社代表取締役緑川大介氏は「自炊(本来は書籍の電子化を自身の手で行うことだが、ここではスキャン代行を含める)業界にはニーズがあり、大きくしていきたいが課題が2つある」と説明する。

 その1つは法律面での問題だ。個人が購入した書籍を電子化し、個人の範囲で楽しむことは私的複製の範囲内で適法と判断されるものの、スキャン代行は私的複製の範囲外と判断するという意見もあり、グレーゾーン状態だ。

 緑川氏はこれについて、「詳細は申し上げられないが、現在執筆者をとりまとめる団体と話し合いをしている。(JASRACと)カラオケや放送局のように権利者と包括契約できればいいと考えている」と、権利者との関係構築に積極的な姿勢を説明する。

 2つめの課題が、スキャンするものを送付する問題だ。ある程度のサイズ、重量のある本を送付する場合、送料も手間もかかってしまう。配送する書籍などを家や会社まで引き取りにくる今回のサービスは、この2つめの課題を解決するものだという。

 利用する運送会社は佐川急便。同社がこれまでEC事業を展開している中でつながりがあり、サービスの実現に至ったという。

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