Googleは、ソーシャルネットワーキングサービス参入の試みとして2010年に「Google Buzz」を立ち上げたが、当初、常識的に考えるよりも多くのユーザー情報が共有されているとの批判を受けた。こうした問題に対処するため、同社はこのほど「包括的なプライバシープログラム」を策定することで合意した。
米連邦取引委員会(FTC)は米国時間3月30日、Googleは不正行為は全く行っていなかったとしながらも、和解に応じたことを明らかにした。和解内容には、今後20年間、独立した専門家がGoogleのプライバシー保護対策に関して定期報告を行うといった項目がある。
FTC委員長のJon Leibowitz氏(民主党)は声明の中で「プライバシーの保証を公約した企業は、その公約を履行する必要がある」と述べ、「今回の和解は、Googleが消費者に対する自社の公約を守り、あらゆる業務に強固なプライバシー保護策を組み込むことを求める厳格なものだ」と解説している。
今回の和解はFTCの委員5名の全員一致で可決されたものだが、パブリックコメントの対象となり、最終承認も必要となる。J. Thomas Rosch委員(共和党)は、委員長とは別に声明を発表し、和解の範囲について「大きな疑問」を持っていることを示唆している。
Googleが和解に合意したのは、「他の政府機関からも申し立てを受けていて、『FTCの干渉を防ぎたい』と考えていたからではないのだろうか?」とRosch氏は記している。
Rosch氏は3段落にわたって懸念を表明している。それによると、今回の合意によって、Googleが特定の種類のユーザー情報を「新たに共有」する場合には、常にユーザーから「明白な同意を得る」(いわゆるオプトイン方式)ことが必要になるという。これはGoogleが新製品を提供しようとする際に新たな制約となるだろうが、FacebookやTwitterはもちろん、AppleやLinkedInなど、Googleよりも規模の大きいソーシャルネットワークの競合企業には、この制約が適用されない見込みだ。
一方、FTCはこの日、今回の和解条件はインターネット業界にとって現時点での「ベストプラクティス(最善慣行)」だとする見解を表明し、他の企業も同様の条件に従ってほしいとの意向を示している。そうなれば、Googleの市場における不利な状況は限定的なものになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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