延々と長引いている訴訟に新たな章が書き加えられた。出版業界の権利団体である米作家協会(Authors Guild)が「Google Books」をめぐって起こした集団訴訟で、ニューヨーク連邦地方裁判所は米国時間3月22日、物議を醸している和解案の承認を拒否したのだ。
裁判所は書面で次のように説明した。「書籍のデジタル化と普遍的なデジタル図書館の創設は大勢に恩恵をもたらすものの、修正和解案は行き過ぎというほかない。この集団訴訟は、書籍をスキャンしてオンライン検索に『部分的引用』を表示しようとする被告Googleに異議を申し立てるものだ。それに対する修正和解案は、著作権保有者の許可なしに書籍全体をデジタル化する重要な権利をGoogleに付与するという、先進的な事業の協定を締結することを認めるものになる。改訂和解案は実際、本訴訟で提示された以上の多くの要求を放棄する一方、著作権で保護された作品を許可なく丸ごとコピーする権利を与えることで、Googleに競合他社よりも重大な優位性を与えるものだ」
和解案はGoogleに絶版書籍の抜粋を表示する権利を与えるもので、それらの本がパブリックドメインでない、あるいはGoogle Booksで表示されることを出版社が承認しない場合でも対象とする。この和解案が2009年中頃に初めて公表された時、Microsoftの法務代理人、電子フロンティア財団(EFF)、および同案が反競争的だと非難する企業や組織が結成した団体Open Book Alliance(OBA)から異議が噴出した。
OBAの弁護士は当時、次のように述べた。「Googleと原告の出版各社が29カ月間、ひそかに交渉を行い、デジタル書籍配信の独占に影響され強化された水平的価格協定を生み出した。この策略はデジタル書籍配信分野から多くを排除し、有効な競争を遠ざけることでGoogleを守ってきた」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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