UVの仕組みについて、これまでに分かっていることを紹介しよう。UVは、映画やテレビ番組の所有者が個々のデバイスやサービスに囲い込まれるのを防ぐものだ。UVのテクノロジはある意味でATMネットワークのように機能し、異なるメディアプレーヤーやサービス上のアカウントを認証する。また、UVのテクノロジはさまざまなデジタル著作権管理(DRM)スキームの上の層に位置しており、必要な許可を提供するため、DRMがUVの妨げになることはない。
UVロッカーのセットアップが完了すると、1家族につき最大6人をデジタルロッカーに登録できるようになる。あるスタジオの情報筋によると、家族内で登録されたユーザーが同じ住所に住んでいる必要はないという。素晴らしいことだ。
これは単なる始まりにすぎないと考えられている。UVを支持する陣営は、UVの上に新しいサービスやビジネスモデルを構築するよう起業家に促していくつもりだと話しており、大手の電話会社やインターネットサービスプロバイダーの参加を期待している。
ある映画業界情報筋は、スタジオ各社はUVロッカーの作成に関して、既に大手ケーブル会社やISPと協議していると言う。ハリウッドはケーブル会社やISPに対し、独自のロッカーサービスを開発すれば、従来は不可能だった方法で顧客のエンターテインメント視聴に関わるチャンスを得られると話している。スタジオ各社は「それらの企業を参加させたいと考えている」と消息筋の1人は語る。
DVDやBlu-rayと異なり、ロッカー市場に参入する可能性のある企業が、ロッカーがヒットするかどうかを見守る時間はあまりないかもしれない。スタジオ各社は、ロッカーの所有者が「iTunes」ユーザーと同じようになればいいと思っている。iTunesユーザーは100曲程度の楽曲を取り込んだ時点で、iTunesサービスに夢中になった。
UVはまだ多くの難問を抱えている。懐疑的な見方をする人の中には、ハリウッドはUVを利用して人々のコンテンツをクラウドに閉じ込めた後、既に購入した映画へのアクセスに手数料を徴収しようとしているのではないか、と疑問を呈する人もいる。また、DisneyとAppleはUVに参加しておらず、両社なしでは多くのユーザーを獲得するのは難しいという見方もある。
さらに、競合する複数の企業が足並みを揃えるのは難しいため、コンソーシアム内で総意を得るのは困難だという指摘もある。UVも例外ではないようだ。
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