詳細が明らかになったマイクロソフトの「Silverlight 5」--40以上の新機能を搭載へ

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子2010年12月03日 15時09分

 Microsoftは「Silverlight」戦略を変更したかもしれないが、クロスプラットフォームのランタイム・開発プラットフォームであるSilverlightは現在も活発に開発が進んでいる。

 これが、米国時間12月2日に開催したSilverlight FirestarterでMicrosoftが伝えようとしたメッセージだ。Microsoftは1日がかりの同イベントで、次期版「Silverlight 5」で計画している機能やロードマップについて情報を公開した。

 Microsoftの幹部はイベントの前、Silverlight 5のパブリックベータを2011年第2四半期に、正式版は2011年内に公開する予定だとすでに述べていた。

 Microsoftとパートナー企業のTelerikは、「Microsoft Silverlight Client for Facebook」として呼ばれていたFacebook向けクライアントの正式版を発表した。Microsoftは先にベータ版を公開しており、今後はTelerikが同アプリケーションの開発とメンテナンスを行うことを発表した。名称も変更され、「Telerik f!acedeck」となる。同アプリは無料で「Silverlight 4」をベースとしている。

 Microsoftの関係者によると、Silverlight 5は40以上の新機能を含み、これはSilverlightユーザーコミュニティーから寄せられた新機能の要望の70%に応えるものだという。新しい機能の多くは、Silverlightのリッチメディアおよびビジネスアプリケーションの開発プラットフォーム機能に注力したものだ。

 Microsoftの幹部は、モバイル開発に注力した新機能やクロスプラットフォームランタイムに関連したものについては、(少なくとも、Firestarterイベントの前には)取り上げて紹介しなかった。Microsoftの関係者が2010年10月末に明らかにしていたように、Microsoftのクロスプラットフォームランタイム戦略は変化しており、今後クロスプラットフォームの課題を解決する新しい方法としてHTML 5にスポットを当てる方針だ。

 Firestarterイベントの前に事前ブリーフィングを受けていたというForrester ResearchのアナリストであるJeffrey Hammond氏は、Silverlight 5でのツール周りの改善は注目に値すると述べている。

 「エンタープライズアプリケーションを構築する場合、ツールの質と深さは重要だ」とHammond氏。「最新のコード化されたUIテスト、強化されたデバッガはウェブアプリケーション周りでデータを構築する開発者を支援するだろう(この作業をしないというIT部門はないだろう)。HTML 5向けにも同じレベルのツールがあると良いが、まだそのようなツールがあると聞いたことはない」(Hammond氏)

 ツールのほかには、メディアサポートの向上、プレミアムメディアエクスペリエンスでのリッチユーザーインターフェース機能などがSilverlight 5の特徴となる。

 リッチメディア分野では、以下の機能を含む予定だ。

  • H.264のハードウェアデコードとプレゼンテーションにおける性能改善により、低消費電力端末でもGPUサポートを利用してHD動画のレンダリングが可能となった。
  • 動画をいろいろな速度で再生したり、高速な早送りや巻き戻しが可能な「TrickPlay」。
  • メディア再生を制御できるリモートコントロールのサポート
  • DRMで保護されたメディアリソースをシームレスに切り替えできる高度なデジタル著作権管理(DRM)

 このほか、全般的な性能の向上やグラフィックスの強化も計画されている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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