コピー防止は、多くのデジタル配信システムの中枢となる海賊版対策のメカニズムだ。だが、Appleが新たに開設した「Mac App Store」で、その弱点が浮かび上がっている。
米国時間1月6日に開設されたMac App Storeは、デジタル著作権管理(DRM)技術を採用している。購入者のみがプログラムを稼働できるよう確実に認証するよう設計された技術だ。しかしオンラインで流れているハッキングでは、一部の状況でこの技術を回避できるようだ。
このハッキングを利用してコピー防止策の回避に成功したという報告もいくつかあるが、これは、ソフトウェア開発者がアプリケーションを稼働させるための許可をどのように認証させるかという点から生じた問題であり、Mac App StoreのDRMにおける取り返しのつかない問題というわけではない。
それでも、こうした問題はDRMが抱える困難な現実を浮かび上がらせる。例えばBlu-rayおよびDVDの暗号化を例に見るように、DRMが利用されると、ハッカーはそれを回避する方法を見つけ出す。しかし商用コンテンツの制作者は、自分たちのデジタル製品が手当たり次第に無料で拡散していく様子をみるのは堪え難いものだ。Appleが2009年に「iTunes」での楽曲をDRMフリーにしたことや、Amazonが「Kindle」向け書籍に貸し出しオプションを設けたことは、あくまでも例外だ。6日にはエンターテインメント業界の大手が参加するコンソーシアムDigital Entertainment Content Ecosystem(DECE)が「UltraViolet」と呼ばれる新しいDRMとなるコピー防止技術を発表したばかりだ。
現時点でこの件に関して、Appleからのコメントは得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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