一方でGoogleは、最近提携したMicrosoftとNokiaという、iOSとAndroidに対抗する第3のエコシステムを作ろうと試みる別のライバルにも直面している。Microsoftは「Windows Phone 7」で、AppleのiOSによる厳重な統制と、Android陣営の万人に無料で開放されるカオスに近い状態の中間の方向へ舵を取ろうとしている。
実際、Schmidt氏は全体的な展望の中で、Microsoftを第1の競争相手に挙げた。
「間違いなく、当社にとって最強の競争相手はMicrosoftだ。彼らは強力な広告モデルを持ち、資金、規模、ブランドも持っており、優れたことや驚異的なことを実行する能力を備える」(Schmidt氏)
一方で、Facebookは今のところ問題ではない、とSchmidt氏は述べた。
「Facebookは付加的な存在に思える。FacebookユーザーはGoogleをより多く利用している。Facebookが当社の広告事業を損ねているという証拠は一切ない。現時点でわれわれは、Facebook(の影響)はゼロか正味でプラスだと考えている」(Schmdit氏)
Nokiaに関しては、Android陣営に参加する扉はまだ開いている、とSchmidt氏は述べた。「彼らがAndroidを選んでいたなら、大いに歓迎したはずだ」(Schmidt氏)
Googleが進めているOSの取り組みとしては、Androidのほかにもう1つ、「Chrome OS」がある。これは、PCやAndroid機器に固有のアプリケーションをインストールするのと異なり、ウェブベースのアプリケーションを実行するブラウザベースのプロジェクトだ。
将来的にChrome OSがAndroidと統合される可能性はある、とSchmidt氏は述べた。
「技術の統合は、準備ができていない時に強行してはいけない。準備が整うのを待つことだ」(Schmidt氏)
Schmidt氏は聴衆からの質問に答え、開発したAndroidアプリケーションを複数の機種に対応させたいプログラマーにとって、同OSの多数バージョンへの分裂が若干の問題になっていることを認めた。だが同氏は、分裂防止の条項と「Android Market」の力学によって、各社が過度に逸脱する状況にはならないだろうと述べた。
分裂防止の条項は、「Open Handset Alliance」のメンバーに対し、ソフトウェアが必要とするAndroidの必須インターフェースを含めることを求めている。また、過度の逸脱は、Android Marketでアプリを入手できなくなることにもつながり、どの通信事業者もAndroidのエコシステムを逃したくはないだろう、とSchmidt氏は述べた。
さらに、現行のGingerbread(Android 2.3)は分裂したバージョンごとの違いを緩和するだろう、とSchmidt氏は付け加えた。
Schmidt氏は、おそらく旧機種の携帯電話にもOSのアップグレードが実施されるだろうと楽観的に推測して、次のように述べた。「当社がリリースしたGingerbreadに、1~2カ月で誰もがアップグレードするだろう。その時点で、全員が共通のプラットフォーム上にいることになる。皆の懸念の多くはこれで対処されるはずだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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