KDDIとソフトバンクモバイルなど7社は、日本と韓国で利用できるモバイルNFC(Near Field Communication)対応サービスの共同実証実験を2月より順次開始すると発表した。実験に名を連ねるのは、KDDIとソフトバンクモバイルのほか、クレディセゾン、オリエントコーポレーション、大日本印刷、凸版印刷、T-Engineフォーラムの7社。
KDDI、ソフトバンクモバイルは、SK Telecomと2010年7月7日に覚書を締結している。これに基づき、モバイルNFC技術を活用した日本と韓国の両国で利用可能なサービスの実現性や設備の相互利用の可能性を検討してきた。今回、(1)電子マネーサービス、(2)スマートポスター・サービスの相互利用について、関係者内で実証実験を実施する。
電子マネーサービスの実験は、MasterCardが世界で展開している非接触決済方式である「MasterCard PayPass」と2009年よりSK Telecomが提供しているモバイル決済サービス「T-Cash」を使って行われる。
MasterCard PayPassは、USIMカードに格納した携帯電話を会計時にレジなどでかざすと決済できるというもの。日本では千葉県や神奈川県のショッピングモールなど約300店舗、韓国ではソウルや釜山のコンビニなど約2万5000カ所で行われる。実験参加事業者は、KDDI、SK Telecom、ソフトバンクモバイル、マスターカード・ワールドワイド、クレディセゾン、オリエントコーポレーション。
T-Cashは、韓国のT-CashアプリをUSIMカードに格納した携帯電話を、レジにかざして会計したり、改札通過時に乗車券として利用したりできる。日本での実験は行われず、韓国のソウル市内の鉄道 (一部を除く)、バス、タクシー、コンビニなどで行われるという。実験参加事業者は、KDDI、SK Telecom、ソフトバンクモバイル。
スマートポスター・サービスは、携帯電話がリーダライタになり、NFCタグが埋め込まれたポスターや地図にかざすだけでタグを読み取り、簡単に情報を取得できるというもの。日本では、東京DNP五反田ショールーム(ソリューションスクエア)、印刷博物館(トッパン小石川ビルB1F)、銀座の街路灯など約110カ所で行われる。韓国では、ソウル市内のCOEXや飲食店などで約150カ所で行われる。
実験をもとに、今後は早期の商用化を目指すという。なお同日、NTTドコモが、韓国の通信事業者KT Corporationと日韓間におけるNFCサービス相互利用に向けた検討に合意したと発表。2012年末にNFCサービスの提供開始を目指すとしている。
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