近年の最高経営責任者(CEO)は飛行機で暮らす、と言われている。しかし、Eric Schmidt氏はCEOを辞めて会長に専念するにも関わらず、旅行日程がパンク状態になろうとしている。
Googleが米国時間1月20日に突如行った発表により、Schmidt氏の役割が変わることになる。同社2代目のCEOとして、Larry Page氏とSergey Brin氏が作り出す世界を変えるような製品に「大人による監督」を最初に行うというものから、Google本社「Googleplex」を頻繁に訪れる必要がないものへとなる。Schmidt氏は、日常業務をPage氏に譲ることについて、「自分が最も興味を持っているもの」に注力する準備をしているところだと金融アナリストらに語った。言い換えれば、Googleの新しいおしゃべり責任者の登場ということだ。
Schmidt氏が主に注力するのは、Google製品の購入を検討している顧客、パートナー、政府、企業と話をし、同社のメッセージを広げることになる予定だ。ある程度までSchmidt氏がこれまでにもしてきたことだ。気が付けば世界は技術界の遥か頂上付近にいるGoogleの3人を見上げているわけだが、Schmidt氏の少なからぬエネルギーを外的脅威や機会に注力できるようにすれば、Googleを治める3人体制をこの世界に順応させることが可能になるかもしれない。
Schmidt氏は、「われわれは過去10年間、意思決定に等しく加わってきた。この3人体制というアプローチは、英知の共有という面でまさに有益だ。大きな決定については、今後も3人で話し合いを重ねる予定だ。しかし、われわれは、個々の役割を明確にすることにも同意しており、会社のトップにおける明確な責任と義務を設けてある」と体制変更に関するブログ投稿で記している。
Googleは、インターネットの歴史の中で最もすぐれた収益製造機の運営を続けている。しかし、その一方で、世界はウェブ検索に特化した向こう意気の強い新興企業として同社をもはや見なさなくなったことに、同社自身が早く気付かなかった問題を過去数年間抱えている。このことは、恐らくワシントンで最も顕著だろう。Googleは近年、ワシントンで厳しく監視され、主要プロジェクトで問題に直面してきた。例えば、Google Booksにおける書籍の著者や出版社との和解や、ITA Software買収提案などである。ともに現在、未解決の状態にある。
Schmidt氏は、「(ワシントンで)直面してきた非常に多くの問題は、われわれの行動を人々が理解していないということを示している」と述べている。それとともに、Googleからの強力なメッセージがない状態で、競合他社や批評家に同社を定義するのを許していたことを認めた。これは変わろうとしている。Schmidt氏は、米大統領科学技術諮問委員会(President's Council of Advisers on Science and Technology)のメンバー、そして、民主党議員への数年にわたる際立った支持という、スタート地点としては申し分のない場所を得ている。
また、Googleは、同社が持つ多くの知能、演算処理能力、そして、リソースを傾けた業界からも抵抗に遭ってきた。そんなGoogleがイメージチェンジを図る余地がある場所の1つにハリウッドがある。
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