グーグルの体制変更--「大人による監督」という仕事を終えたシュミット氏の今後 - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:編集部2011年01月21日 16時23分

 Googleは、「Google TV」とYouTubeのストリーミングサービス向けに、映画およびテレビコンテンツを獲得しようとしている。現在のところ、その進みは遅い。主要放送ネットワークすべてが、自社コンテンツをGoogle TVで視聴できないようにしている。また、YouTubeは、大手ハリウッドスタジオの作品を多く得ていない。

 2010年のGoogleは、クラウド音楽サービスで苦戦を強いられていた、と複数の情報筋が米CNETに語っている。Googleは今、4大音楽レーベルおよび複数の音楽出版社からライセンス権を確保する必要がある。それは痛みを伴う過程となるだろうが希望もある。映画スタジオや音楽レーベルが理解や敬意を示すのは、スターの力だ。そして、Schmidt氏の名前は、ビジネスにおいて高い知名度を誇っている。

 Schmidt氏は、Google入社前にSun Microsystemsの最高技術責任者(CTO)やNovellのCEOを務めることで、エンタープライズ技術世界における由緒正しい血筋を受け継いでいる。そのため、エンタープライズITマネージャーらのニーズや希望についても、誰にも劣らず話し合うことが可能だ。そして、Schmidt氏には実行力がある。Schmidt氏がJavaを世界に売り込むために果たした努力は、同技術の広がりに欠くことができなかったと考えられている。

 その一方で興味深いのは、Schmidt氏が、Googleに関する重要事項に限って失言してしまいがちという自身の傾向を避けられるかという点だ。

 Schmidt氏は過去数度にわたり、人々はインターネット上での行いに注意すべき、過去の行いから逃れるために名前を変えるべき、人生のコントロールをコンピュータに任せるべきと語って批判を受けてきた。Schmidt氏は、冗談として言っているつもりのように思われた場合もあったが、そうでない場合もあった。正真正銘の口達者なおしゃべりは、その発言をどのように解釈したらよいかで聞き手を惑わせることはしない。

 しかし、Schmidt氏は、4月4日付けでGoogleの広報マンとなる。その一方で、Google社員への支払いや、ボランティアの頭にチップを埋め込むことを伴うような新しいソーシャルネットワークプロジェクトを承認するかなど、細かなことに煩わされる必要もなくなる。これは、残り2人の共同創設者が同じ位に優れていても、こなせる役割ではない。Brin氏は製品に特化したイベントに登場することが多く、一方のPage氏は人前に姿を現すことは稀だ。両者とも、Googleに関する広範囲にわたる事柄を公に話すという経験はあまりしていない。

 20日の発表は、まるで高校の卒業式のようだった。Page氏を初めて1人世に出す誇らしげな保護者Schmidt氏が、Page氏の前進する力を誇りに思うという感じだ。発表後数時間しか経っていない状態でPage氏のチャンスを判断するのは、時期尚早だろう。Page氏は同じことを以前にも経験している。しかし、2001年と2011年では、Googleがいる場所は異なる。

 Schmidt氏は、優秀だが痛々しいほど内気なPage氏に対し、世界で最も重要な技術の会社の1つを率いるというポジションを用意することにおいて、十分なことをしてきたか?1つだけ確実に助けになることがある。それは、Schmidt氏がGoogleの教えを広めるために世界を回ることで、Page氏は社会からの圧力にさらされなくてもよくなるということだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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