Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏がまた医療休暇に入ることになり、同氏は自身が設立した会社を最高執行責任者(COO)のTim Cook氏に再び委ねることになった。そのCook氏とはどんな人物なのだろうか。
控えめで人前に出たがらないCook氏が突如スポットライトを浴びることになるのは、この8年間でこれが3度目だ。Jobs氏以外には務まらないと多くの人が考えるだろう役目を、Cook氏は一時的に引き継ぐことになる。
Compaqの幹部だったCook氏がAppleに参加したのは1998年のことだ。当初は国際事業担当シニアバイスプレジデントを務めていたが、2004年にCOOに昇格した。Compaqの前にはIBMでも12年間を過ごし、そこではPC事業の製造および業務を担当していた。
Appleの製造業務を全面的に改革したことで知られるCook氏は、米国外にあったAppleの工場を閉鎖してサードパーティの製造業者に外注すべきだと主張した。その結果、同社は製品の全ラインアップにわたって在庫の削減と利益率の改善に成功した。またCook氏はコスト削減にも熱心で、Appleは出荷台数では世界トップのコンピュータメーカーには程遠いが、製造するコンピュータ1台あたりの利益が最も大きい企業として知られている。
健康に不安を抱えるJobs氏の代理をCook氏が最後に務めたのは2年前だが、Appleの手持ち現金はその当時から2倍以上に増え、今や500億ドルを超えている。
Appleは、Jobs氏がいつか同社を去る日に、その後継に誰を指名するのかという避けられない問題についてプランを公言することを避けているが、一部ではCook氏がその任にふさわしい人物と目されている。Cook氏にはJobs氏のようなカリスマ性はなく、消費者が携帯電話やコンピュータ製品に求めているものを見抜くセンスもないが、それでもJobs氏が長らく思い描いていた通りにAppleを運営している。
Cook氏の存在感はこの数年、着実に増してきている。Cook氏はJobs氏の片腕として株主向けのイベントに出席し、ここ数年はアナリスト向けの決算発表の電話会見を完全に取り仕切っている。また最近では、製品の発売関連でも大きな役割を果たしている。すでに今回のニュースを暗示していたのかもしれないが、Verizon Wirelessのネットワークに対応した初の「iPhone」という注目製品の発売を発表するため、先週ニューヨークへ飛んでVerizonのCOOであるLowell McAdam氏とともにイベントに臨んだのは、Jobs氏ではなくCook氏だった。
Appleは米国太平洋時間18日午後1時に2011会計年度第1四半期の決算を発表する予定となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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