Windowsショートカットの脆弱性を狙うマルウェアが増加傾向--マカフィー調べ

 マカフィーは1月14日、2010年の日本におけるウイルスと不審なプログラム(PUP)の検知データの集計を発表した。2010年は新たな脅威としてショートカットの脆弱性を悪用するものが出現したが、そのほかの傾向は例年と大きな差はなかったとしている。

 Windowsのショートカットの脆弱性を悪用するマルウェアでは、2010年夏頃に発見された「Exploit-CVE-2010-2568」がウイルス検知データ数の4位にランクインしている。修正パッチはすでにリリースされているが、この脆弱性を攻撃するマルウェアは増加傾向にあるという。未修正の場合、不正なショートカットを含むフォルダをExplorerで閲覧するだけで、マルウェアに感染するとしている。

 この脆弱性は、USBメモリなどの外部メディア経由で感染する際の手段として特に利用されており、「Stuxnet」や「Downloader-CJX」などが著名。特にStuxnetは産業用制御システムを攻撃することで知られているが、産業用システムでは脆弱性修正パッチの適用が遅れる傾向があるため、攻撃が成功しやすくターゲットになりやすいと推測している。

 レポートではこのほか、「ウェブの脆弱性を悪用したDrive-by-Download攻撃の継続」「依然として活発なオートランワームの脅威」をトピックとして挙げている。PUPについては、新たな動向は観測されておらず安定化の傾向にあったという。しかし、PUPの脅威は依然としてあるため、引き続き警戒が必要としている。

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