【レビュー】ドキュメントスキャナ「ScanSnap S1100」--350gは思った以上にコンパクト - (page 2)

目的にあった読み取り方式を選べる

  • 原稿がまっすぐに排出されるストレートパス

 原稿の読み取り方式は2種類ある。本体の背面にある「排出ガイド」を、閉じたままにしておくと、「ストレートパス」となり、読み取られた原稿は本体の後ろに向かってまっすぐ排出される。

 曲げたくない原稿や、プラスチックカードなどの曲がらない物をスキャンするのに便利だ。現行機種のS1500もS1300も、プラスチックカードは、その「曲げられない」特性のために読み取れなかった。昨今は、さまざまな手続きがオンラインで済むようになり、そのため、身分証明書をスキャンして送る機会もかなりある。フラットベッドスキャナで、ふたをバタバタと開いたり閉じたりしなくても、S1100なら運転免許証などのカードをサッと素早くスキャンできる。

  • 原稿が手前に排出されるUターンパス

 また、排出ガイドを開いた状態にすると、読み取られた原稿がカールして、手前に排出される「Uターンパス」となる。ストレートパスの場合、スキャナの後ろにも、原稿と同じサイズのスペースが必要となるが、このUターンパスを利用すれば、スキャナの前面にスペースがあればよいので、かなり狭い場所でもスキャンが可能だ。また、原稿の両面をスキャンしたい場合には、Uターンパスにしておくと、立ち上がったり手を伸ばしたりしなくても、手前に戻ってきた原稿を取って、スマートに再度読み込ませることができる。

Evernoteなどのクラウドサービスと密接な関係に

  • タスクバーに表示されるSアイコンを右クリックすると表示される読み取り設定の選択メニュー

 今までも、ユーザーが自分で設定すれば、ScanSnapで読み取った原稿をEvernoteに保存することは可能だったが、最初から設定があるのとないのとでは、敷居の高さが全然違う。スキャンした画像やPDFファイルをすべてEvernoteに保存しておけば、後から、検索機能やノートブック機能を使用して、整理整頓が楽にできる。

 Windows版の場合は、スキャン後のデータの整理ができる「ScanSnap Organaizer」が付属しているが、Mac版はないため、Macユーザーの場合は必然的にEvernoteを使用することになるだろう。

 スキャンの前に、タスクバーに表示されるSアイコンを右クリックして、Evernoteに保存するための設定を選択してスキャンすると、自動的にEvernoteにデータが保存される。EvernoteにはOCR機能があるため、しばらくすると画像内の文字列が検索できるようになる。

 他にも、Googleドキュメントへの保存や、読み取った名刺データを「名刺ファイリングOCR 」(Windows)または「CardMinder」(Mac)からSalesforce CRMに保存することができるなど、連携するクラウドサービスが多く、スキャン後のデータ活用の幅が広がる。

続けられる家計簿

  • 読み込まれたレシートとOCR後のデータが左右に並んで表示されるので、修正もしやすい

 Windows版には、「やさしく家計簿 エントリー for ScanSnap V1.0」が付属する。レシートをスキャンして本ソフトに読み込めば、レシートの内容があっという間にデータに変換される。S1100は、紙をトレイのどこに置いても、サイズを自動判別して読み取る。レシートやカードのような小さなものを読み取るときに、ガイドを調節するなどの手間がいらないのは助かる。

 この「やさしく家計簿」の認識精度は素晴らしい。一般的なレシートとして、スーパーマーケットのレシートをスキャンしてみたところ、ほぼすべての項目を正確に認識し、店名まできちんと認識された。「やさしく家計簿」を販売しているメディアドライブ株式会社は、e.Typistという認識精度に定評のあるOCR製品を出している会社なので、この精度に納得がいく。

 入力した情報は、「家計簿」を表示して「テキスト出力」ボタンをクリックすることで、明細をCSV形式で書き出せる。Excelや他の家計管理ソフトを使用している場合でも、このデータを利用できるので便利だ。

日常使いのスキャナとして最適

 S1100は、モバイルモデルと謳ってはいるが、小さくて場所を取らないため、机の上に置いて、PCと接続したままにしておき、日常的に使うのに向いている。大げさなドキュメントスキャナはいらないけれど、フラットベッドスキャナでは、スキャンのたびに面倒だと感じている人なら、満足度の高い買い物になることは間違いない。

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