アナログチューナ非搭載(デジタル放送専用)レコーダーに対する私的録音録画補償金支払いをめぐる東芝と社団法人私的録画補償金管理協会(SARVH)の裁判で、東京地方裁判所は12月27日、SARVHの訴えを退け、不払いの補償金に関する損害賠償請求を認めない判決を下した。
判決では、訴訟の争点となっていたアナログチューナ非搭載レコーダーが補償金の対象となる特定機器に「該当する」と認める一方、その徴収におけるメーカーの協力義務については「効力規定ではなく訓示規定」とした。つまり、法的強制力のない抽象的な義務であるとし、民事訴訟による損害賠償請求を退けた形だ。
原告であるSARVHの代理人をつとめた日比谷パーク法律事務所代表弁護士の久保利英明氏は、判決後の会見で「(敗訴判決について)正直、ギョッとした」とする一方で「一番の眼目としてきた点にはきっちり判決をいただいた」とコメント。アナログチューナ非搭載録画機が「特定機器に該当する」と判断されたことには満足感を示した。
その上で「判決によれば、今までも訓示規定の中で支払ってきた、ということ。判決を受けてほかの機器に関してもすべて支払いを取りやめるということであれば話は別だが、当該機器だけ抽象的義務を履行しない、という理屈は通らなくなった」と評価。「企業コンプライアンスから考えて、訓示規定ならば従わなくてもいい、という態度が今後、許されるのかどうか」と東芝側をけん制した。
原告代理人は、訓示規定とした判決を不服として控訴の方針を固めている。
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