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KDDI、国際送金ビジネスに参入--第1弾は中南米の出稼ぎ移民向けサービス - (page 2)

田中好伸(編集部)2010年12月13日 20時15分
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 これらに対して、ARIASは銀行口座を持つ人と持たない人の両方で送金・決済ができる。送金側と受取側のネットワークや事業者をMFICのプラットフォームにシステム的に連携することで、個々のネットワークだけでは実現できない「入り口と出口を組み合わせることができる」(枋迫氏)のがARIASの強みになるという。枋迫氏は、ARIASを「資金決済のハブシステム」と説明する。ARIASは米連邦準備銀行(FRB)の決済プロセスシステムとして正式作用されているという。

 KDDIはMFICへの出資で、MFICのARIASを中心にしたプラットフォーム事業に参加する。KDDIの通信事業者(キャリア)としてのノウハウ、キャリア網を生かして、MFICのプラットフォームに接続するモバイル通信事業の拡大を狙う。

画像説明 Microfinance International社長兼CEOの枋迫篤昌氏(左)とKDDIの石川雄三氏(取締役執行役員常務)

 枋迫氏は「SWIFTは1960年代にできたメッセージシステム」と表現。「SWIFTと銀行の処理は(実質的に)手作業で行われており、コンプライアンス(法令順守)として大丈夫か」と疑問を提示。その上でSWIFTを中心にした「送金サービスは時代に対応していない」と表現、さまざまな送金ネットワークに連携できるARIASのメリットを強調している。

 KDDIとの提携で「携帯電話端末をARIASと接続できる金融ツールに変える」(枋迫氏)ことで、「モバイルペイメントは究極の利便性を消費者に提供できる」(枋迫氏)という。携帯電話のエンドユーザーは世界全体で50億人と言われるが、KDDIとMFICは今回の提携で「既存金融インフラとも融合して、あらゆる社会層にサービスを供給する」(枋迫氏)ことを狙う。

 現段階でARIASはプリペイドカードによる決済だが、将来的には「プリペイドを端末に組み込んだ形も想定している」(石川氏)。また石川氏は、今回の送金・決済プラットフォームがオープンであることを強調。「KDDIでしか使えないというものではない。あらゆる金融機関やキャリアにオープンなプラットフォームを構築、提供するというものだ」(石川氏)という。

 今回の国際送金ビジネス参入は、KDDIにとって“BOPビジネス”の側面もある。BOPとは「Base of the Pyramid」の略称であり、世界の所得別人口構成の中で、最も収入の低い所得層を指している。世界人口のうち約40億人がBOPと言われており、この数年でBOPビジネスに参入する企業が増えている。

 「もともとBOPビジネスに力を入れている」(石川氏)というKDDIは、「世界で銀行口座を持たない人は約25億人にのぼると推計され、そのうち携帯電話を持つ人は2012年には約17億人に達すると見られている」と、国際送金ビジネスがBOPにも狙いを定めたものであることを石川氏は明らかにしている。

 欧米や日本などの先進国ではキャリアと金融会社がモバイルマネーの分野に進出し、サービス開発競争が始まっている。発展途上国でも、携帯電話は銀行口座を持たない層まで含めた国民全体に金融サービスを提供する手段として注目を集めているという。

 「ケニアでVodafoneのモバイルマネーが1300万口座を突破しているほかに、5カ国でも展開されている。またフィリピンでモバイルマネーが800万口座を突破している。インドではNokiaが現地銀行と提携してモバイルマネーを始めている」(石川氏)

 米国でもAT&TとVerizon Wireless、T-Mobileがモバイル決済の合弁企業を設立している。石川氏は「各国を相互接続する国際送金は2014年に5兆5000億円規模になるという調査も出ている」とその可能性を明らかにしている。

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