論ずべきは「ネット販売と対面販売」でなく「省令施行前後の状況」--ケンコーコム控訴審

岩本有平(編集部)2010年12月03日 07時00分
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 一般用医薬品のネット販売を規制する厚生労働省省令の取り消しなどを求め、ケンコーコムとウェルネットが起こした行政訴訟。その控訴審第2回口頭弁論が12月2日に東京高等裁判所で開かれた。

 2009年6月施行の改正薬事法により、市販の一般用医薬品は副作用のリスク順に第1~3類に分類されている。このうち第1類と第2類のネット販売が厚生労働省の省令によって禁止された。離島在住者や同じ医薬品の継続利用者に限り2年の販売を認める経過措置をとっているが、この経過措置もあと半年弱で終了することになる。訴訟はこの省令の無効確認や取り消し、そして医薬品ネット販売の権利確認を求めたもの。一審では原告(ケンコーコムら)の訴えが棄却、却下されている。

 口頭弁論は、都築弘裁判長が控訴人(一審の原告であるケンコーコム側)、被控訴人(国側)に交互に主張を尋ねる形で展開された。

 ケンコーコムらは、対面販売が優れているという判断が恣意(しい)的であること、一般用医薬品と医療用医薬品を区別しない上に一般用医薬品の副作用を発生確率でなく絶対数で把握するのは不相当であることなどなどから、ネット販売を規制する省令の不当性をあらためて主張した(控訴理由については第1回口頭弁論の記事にて紹介)。一方で国側は、副作用の危険性から国民の生命を守るために規制は必要であると主張する。

ケンコーコム代表取締役の後藤玄利氏 ケンコーコム代表取締役の後藤玄利氏

 都築裁判長は、省令施行前にはネット販売が許されていたことから、これまで一審で問われていた「ネット販売」対「対面販売」という構図での正当性の是非ではなく、省令の施行前後で薬害や医薬品販売時の情報伝達がどう変わっているのかを比較すべきではないかと促した。

 口頭弁論後に行われたケンコーコム側の会見では、ケンコーコム代表取締役の後藤玄利氏が「省令で定められた経過措置の期限まであと半年しか残っていない。そんな中でいまだに月2000件以上のユーザーを(離島在住者や継続利用者でないことを理由に)断り続けている状況。理不尽な省令は早く撤回していただきたい」と現状を説明。また、省令施行の前後での状況の比較が重要であると示した裁判所に対して「論点を理解しようとされていることが分かった。しっかり結審を出していただきたい」と期待を語った。

 第3回の口頭弁論は2月17日に開催される予定。

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