ソフトウェアの世界では、さまざまな機能が現れては消えていく。だがほとんどの場合、機能は増えていく方向にある。
「Windows Home Server」(WHS)の場合も、これまではそうだったが、今や話は変わった。Microsoftは、おそらく最もユーザーに重宝されている機能の1つと言える「Drive Extender」を、次期メジャーバージョンのWHS(開発コード名「Vail」)で廃止すると発表した。
Drive Extenderは、古いコンピュータから取り外したものやブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)のセールで購入したものなど、サイズが異なる複数のハードディスクドライブ(HDD)を1つにまとめてプールし、ストレージの総容量を増やす機能だ。サードパーティーの専用ソフトウェアや複雑なバックアップソリューションに深入りせずにコンピュータのストレージを増量したいという人には、救いの手と言えるものだった。
「Windows Home Server Blog」の記事によると、WHS、「Windows Small Business Server 2011 Essentials」、および「Windows Storage Server 2008 R2 Essentials」のベータ版で、2011年の早い時期にDrive Extender機能が廃止されるという。同ブログではその理由として、HDD容量が増大した結果、1テラバイト以上のHDDが安価に購入可能になり、ユーザーがホームサーバに使おうとハードウェアを新しく購入する際にも簡単に入手できるようになった点を挙げている。
MicrosoftでWindows Serverのシニアテクニカル製品マネージャーを務めるMichael Leworthy氏はブログ記事で、「OEM業者からWHSソリューションを購入する顧客は、今ではより大容量のHDDを選択できるようになった。このため、Drive Extender機能の必要性は小さくなる」と説明している。
Leworthy氏はまた、この決定は顧客の動向によるものだと述べている。
「一般消費者および中小企業市場におけるストレージの今後を考えた時、開発チームはDrive Extender技術がわれわれの顧客のニーズに合っていないと感じた」とLeworthy氏は述べた。
この記事を書いたすぐ後に、約140件もの(大半は批判的な)コメントが付いたのを受け、Leworthy氏は前段の内容をフォローするブログ記事を書いた。この中でLeworthy氏は、今回の決定は「とてつもなく困難な」ものだったが、WHSをWindows Small Business Server 2011 EssentialsおよびWindows Storage Server 2008 R2 Essentialsと共に開発する上では必要な判断だったとしている。「WHSの利用者には、この部分はあまり重要には思えないかもしれない。しかし、これらの製品の開発は密接に結びついており、こうした決定は3つの製品すべてに影響する」とLeworthy氏は説明している。
Drive Extender機能を廃止する理由として考えられるのは、ドライブプールがデータ破損の元凶となった、過去の問題との関連だろう。この問題により、複数ドライブからなるホームサーバに保存されているファイルが、当該ストレージに転送されて以降読み取りできなくなることがあった。この件は2008年にMicrosoftが修正しているが、WHSの以前のバージョンはこうした問題を抱えていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」