シャープは11月15日、スマートフォン事業説明会を開催した。シャープは、国内で最多となるスマートフォン5モデルをラインアップする。携帯電話も含めた数としては、NTTドコモ向けに8製品、ソフトバンクモバイル向けには5製品、KDDI向けにも5製品をそろえ、多彩なラインアップを特徴としている。
シャープ執行役員 情報通信事業統括の大畠昌己氏は「スマートフォンユーザーが増えていく中で、ニーズは多様化していく。今が好機だ。(3Dなど)いろいろな強みがあるデバイスを搭載し、これまでと同じことができるスマートフォンとデバイスとリンクしたサービスによって差別化していく」と語った。
シャープのスマートフォンへの取り組み方針は、(1)ラインアップの早期拡大、(2)国内仕様、サービスの取り組み、(3)3Dエンターテインメントを、端末・コンテンツの両面で展開――の3つだ。また、「慣れた携帯電話もいい、と考えるユーザーも存在する」とし、スマートフォンを強化しながらも従来型の携帯電話の開発は継続し、現状のシェアをキープしたい考えを示した。
シャープは、スマートフォン元年といわれる2010年を皮切りに、2011年へ向けてスマートフォンへの取り組みを加速させる。「できるだけ早い時期に、国内向けの販売として500万台を実現したい。いつまでにとは言いにくいが、2〜3年のうちには500万台を達成できるのではないか。絶好の機会ととらえ、業界の活性化に向けて取り組んでいきたい」と語った。
ガートナーの調査によると、Androidスマートフォン市場は世界的に急拡大しており、Android OSのシェアは2010年は17.7%、2014年には30%に達する見通し。MM総研のAndroid市場の推移と予測によると、立ち遅れていると言われる日本でもスマートフォンが急激に増加しており、2015年には54%がスマートフォンになるという。大畠氏は、「2011年については予測よりももっとスマートフォンへのシフトが進むのではないか」と話した。
シャープは、9月27日にユビキタス戦略として「GALAPAGOS」を発表。さらには10月に「TSUTAYA GALAPAGOS」を発表するなど、コンテンツにも力を入れている。2011年春からをめどに、電子書籍や3Dゲームなどエンタテインメントコンテンツを集めた「GALAPAGOSサービス」を、スマートフォン向けに対応するとしている。
「外ではスマートフォン、リビングで楽しみたいときは大画面テレビのアクオスでコンテンツを楽しむ。スマートフォンとアクオスの間でコンテンツを共有するなど、コンテンツをお楽しみいただくための環境を整備していきたい」と語った。
海外展開として、中国向けにスマートフォン2モデルを発売した。「シャープのケータイは中国では高級なイメージで認知されつつある。スマートフォンについても、日本のスマートフォンで好評なものを中国にシフトしていく。3Dスマートフォンは来年の早い段階で導入する。その他の地域についても、特徴あるデバイスを中心としたスマートフォンを海外展開を図っていく」とした。
中国向けの端末「SH8128U」と「SH8118U」は、Android OSをベースに独自にカスタマイズした「点心OS」を搭載。中国では見られないGoogle MapsやYouTubeなどのアプリケーションの代わりに中国で人気のあるコミュニケーションツール「QQ」などをプリインストールしたもの。
中国では、1500元以下の端末が約7割を占めており、およそ2400元という今回の端末は、ミドル層を狙ったものという。
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