スーパーコンピュータランキング「TOP500」が米国時間11月14日に発表された。オークリッジ国立研究所に設置されたテネシー大学のスーパーコンピュータで、「Jaguar」と呼ばれる「Cray XT5」が2位に転落したことが明らかになった。代わりに首位の座に就いたのは中国の国防科学技術大学(National University of Defense Technology)が開発した「Tianhe-1A」だった。
処理速度はTianhe-1Aが2.67ペタFLOPS(1ペタFLOPSとは1秒間に1000兆回の浮動小数点演算を処理できること)、Jaguarが1.75ペタFLOPS。3位に入ったのも「Nebulae」という中国製システムで、1.27ペタFLOPSの処理能力をもつ(編集部注:日本からは東京工業大学の「TSUBAME 2.0」が4位にランクインした)。
中国の台頭について、米国のスーパーコンピュータ関係者らは2つの見方をしている。1つ目は、同ランキングによって米国のソフトウェアや部品が今もこの分野のリーダーであることを確認できたという見方である。そしてもう1つが、米国がいつまでもハイパフォーマンスコンピューティング界に君臨できるとは限らないことの警鐘だという見方だ。
スパコン分野における米国のリーダーシップが打撃を受けたと懸念する向きもあるが、Tianhe-1Aが搭載するコンポーネントを考えると大きな問題でもない。カリフォルニア大学アーバイン校のCharlie Zender教授は、Tianhe-1AはIntelやNVIDIA製の部品を搭載するLinuxマシンであると指摘する。
しかし、それでもTianhe-1Aの処理速度は「卓越している」とイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のBill Gropp教授は述べる。
「彼らの成果は過小評価したくない(中略)出始めのトヨタを軽視したときのようなものだ。トヨタは最初こそはくずを集めたような製品を作っていたが、それから数年で市場を席巻してしまった」(Gropp教授)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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