Crayは米国時間9月21日、将来の大規模スーパーコンピュータにNVIDIAのグラフィックスプロセッサを搭載する意向を明らかにした。
この発表に先立ち、スパコン世界ランキング「TOP500」の2010年6月版では、NVIDIAのGPUを搭載した中国のスパコン「Nebulae」が2位に躍進していた。
NVIDIAがカリフォルニア州サンノゼで開催したGPU Technology Conference 2010で、スパコン大手のCrayは、NVIDIAのGPU「NVIDIA Tesla 20」シリーズを搭載可能なスパコンを開発すると発表した。
Crayで製品部門担当バイスプレジデントを務めるBarry Bolding氏は、電話でのインタビューに応じ、「われわれは、当社の大規模システム『Cray XE6』にこの技術、つまり次世代のNVIDIA Teslaを搭載する予定だ」と述べた。Cray最大規模のシステム「Jaguar」は、米オークリッジ国立研究所に設置され、Advanced Micro Devices(AMD)製プロセッサをベースにしており、現在TOP500ランキングで首位の座にある。
Bolding氏によると、ローエンドのデスクトップ型スパコンですでにNVIDIAのGPUを採用しているCrayは、Cray XE6製品ラインで科学系アプリケーション向けの「モデリングコード」を加速させるために、NVIDIAのスパコン用プロセッサTeslaに照準を定めているという。
Bolding氏は、次のように述べている。「われわれがこれを行う理由は、NVIDIAが当社の顧客にとって有益なアクセラレータ(GPU)の製造に着手しているためだ。NVIDIAは、通常のグラフィックスアクセラレータを超える機能強化を実施してきた。数年前の時点で、NVIDIAのGPUは当社の顧客を引きつけるほどの機能性を有していなかった」
「われわれが最初に実現すると予想しているのは、このアクセラレータ上でごく少数の主要アプリケーションを実行するデータセンターだ。一方で、500本ものアプリケーションを実行させなくてはならないデータセンターでは、アクセラレータに移行することはないだろう」(Bolding氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」