「市場の状況を変える」--Androidアプリ開発支援プログラムを手がけるGMO熊谷氏の思い

岩本有平(編集部)2010年11月02日 18時18分

 GMOインターネットが手がけるアプリ開発者支援プログラムの第2弾として始まった「アンドロイドやろうぜ!by GMO」(アンドロイドやろうぜ!)。Androidアプリの開発者の支援を目的としたこのプログラムのねらいや目標について、11月1日に開催したキックオフカンファレンスでGMOインターネット代表取締役会長兼社長 グループ代表の熊谷正寿氏が記者団に語った。

--コンテンツプロバイダーからは、「Androidのアプリマーケットは厳しい」という声を聞く。

 その状況を変えるのがこのプロジェクトだ。アプリを不正コピーされたり、キャンセルされたりしており(編集部注:Googleの提供するAndroid マーケットでは、購入後24時間以内のキャンセルによる返金を認めている。そのため、電子書籍などではダウンロード後24時間以内にすべてを閲覧できないといったキャンセル防止対策を備えているケースがある)、ビジネスとして厳しい状況。このプロジェクトを利用してもらうことですべてクリアできる。(編集部注:アンドロイドやろうぜ!で提供するアプリマーケット「@GMOゲームセンター」(Gゲー)では、独自のDRMシステムを利用して不正コピーを防ぐほか、前述の“24時間ルール”を認めていない)

--Gゲーは海外でも展開するのか? また海外の反応はどうか?

GMOインターネット代表取締役会長兼社長 グループ代表の熊谷正寿氏 GMOインターネット代表取締役会長兼社長 グループ代表の熊谷正寿氏

 まずは日本で実績を作って、数カ月先には海外展開する。すでに海外のキャリアやコンテンツプロバイダーとも話し合いをしている。

 海外の反応は非常にいい。キャリアもコンテンツプロバイダーも、同じ問題意識を持っている。「コピーされる、24時間でキャンセルされる」というのは著作権者にとっては大きな課題。かといって、電子書籍を買って、中身をすべて見るために24時間かかるというのは(利便性の観点からも)ありえない。

--前回のアプリやろうぜ!では、開発者に対して資金提供なども行った。今回資金提供を実施しなかった理由は?

 今回のプログラムは前回とまったく視点が違う。前回のアプリやろうぜ!は、「(開発力がなく)出たいけど出られない」という開発者に対して、お金もサーバも支援するというもの。今回は「(開発力では)出られるものの、マーケットに課題があって出られない」という方々向け。

--対象とするのはスタートアップ企業のように技術的に障害のある開発者でなく、ある程度技術は持っているが、ビジネス的な課題で参入できないという開発者という認識でいいのか?

 その通り。今回協賛いただいているコンテンツプロバイダーも大手が多い。ある意味敷居を高くしている。マーケットができてから次の展開をするかも知れない。

--Androidアプリのマーケットについては各キャリアも展開している。これらとの差別化についてはどう考えるか?

 キャリアが展開するマーケットはゼネラル。言うなればAppStoreと対比されるべきもの。我々は、現時点ではゲームに特化しているところが違う。おもしろいゲームを作るためのコミュニティやソーシャルの機能をAPIで提供していく。

--まずはゲームに特化するとのことだが、キックオフカンファレンスではゲーム以外の展開にも触れていた。それはいつ頃をめどにしているのか?

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