アカマイ・テクノロジーズ合同会社は11月1日、iOSベースのデバイスに向けたオンデマンド動画配信をアカマイのネットワーク上で最適化し、iPhoneやiPadなどのiOSデバイスで再生するための新サービス「Akamai Universal Streaming」を同日より提供開始すると発表した。Akamai Universal Streamingは、HDビデオ配信のためのサービス「Akamai HD Network」の一部として提供される。
Akamai Technologies メディア&エンターテインメント部門マーケティング担当ディレクターのSuzanne Johnson氏は、新サービスを提供する背景について、「2009年のObama大統領の就任演説や2010年のFIFAワールドカップなど、インターネットビデオ配信の視聴者は増える一方だ。接続スピードの高速化も進み、オンデマンドビデオの需要は高まっている。iPhoneやiPadなどiOSをベースとしたデバイスの普及はこの需要の高まりを加速させているが、デバイスが多様化することでそれぞれのデバイスに対応したコンテンツを用意しなくてはならないなど、コンテンツプロバイダーの負担も高くなっている。今回発表したサービスは、ひとつのコンテンツ資産をAkamaiのネットワークを通じてさまざまなフォーマットに対応させ、コンテンツプロバイダーの負担を軽減させるものだ」と説明した。
Akamai Universal Streamingは、iOSデバイスへのオンデマンド配信において、エンドユーザーに物理的により近い位置に配置されたアカマイのエッジサーバで動画コンテンツの再生環境を提供する。動画コンテンツは、H.264やMPEG4動画など従来の標準ビデオコンテンツを活用、アカマイのネットワーク内でセグメントおよびパッケージ化される。このため、コンテンツプロバイダーがiOSデバイス用の再生環境を別途構築する必要はないという。
また、Akamai Universal StreamingはiOSデバイス向けに動画配信の包括的なソリューションを用意。iOS向けフレームワークとHTML5を提供し、動画再生プレーヤーとアプリケーション開発を簡略化するとともに、「サービス品質監視ツール」で動画のパフォーマンスを把握することも可能だ。
アカマイ・テクノロジーズ合同会社 職務執行者社長の小俣修一氏は、「日本では携帯電話が独自に発達し、ガラパゴス化されてきたが、それに対応したコンテンツ開発は進んでいる。しかしここに来てスマートフォンの普及が進み、新たな開発が必要となることがコンテンツプロバイダーの負担となっているほか、iPhoneではFlashに対応していないことも課題になっている。こうした課題を解決するのがAkamaiのソリューションだ」と述べた。
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