JASRAC独禁法審判参考人審尋、焦点は「イーライセンスの運用能力」へ

 独占禁止法違反(私的独占)排除措置命令をめぐる公正取引委員会(公取委)と一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)の第10回審判が10月27日に開催された。前回に引き続き関係者を招いた参考人審尋が行われた。

 今回出廷したのは、当該期間とされる2006年10月以前に日本民間放送連盟(民放連)側としてイーライセンスと直接会合をもった深尾隆一氏(東京放送総務局長:当時)と高橋英夫氏(テレビ朝日編成局ライツ専任局次長:当時)、エフエム東京で当時編成担当責任者だった経営企画室秘書部長の吉田乾朗氏の計3名。民放の2名はJASRAC側が、エフエム東京の吉田氏は公取委側が招致した。

 民放連担当者2名に対するJASRAC代理人の主尋問(時間をずらして1名ずつ実施)は、前回審判でイーライセンス代表取締役の三野明洋氏が語った「当時の具体的なやりとり」を検証することに主眼が置かれた。

 中でも注目を集めたのが、イーライセンスと民放連の3回目の会合で発せられたとする、民放連事務局関係者の「JASRAC料金にアドオンする形式であれば契約できない」との発言。出廷した民放連の2名はともに「発言自体はあった」と認めたものの、「議論がヒートアップした中で売り言葉に買い言葉として出た発言であり、決して民放連の総意というわけではない」とした。

 釈明を受けた公取委は、イーライセンス側が作成した議事録をもとに「発言は流れの中で行われており、相手方の挑発を受けたという状況は見られない」としたが、「その場にいた印象と議事録の内容には大きな隔たりを感じる」(高橋氏)とするなど、イーライセンス側が独自に作成した議事録の信ぴょう性自体を疑問視する姿勢を見せた。

 また、当日の会合がヒートアップした要因として「三野氏が事前の通達なく2名の弁護士を同伴して出席し、1、2回目の会合とまったく異なることを言い出したため」と説明した。「当初、三野氏は『イーライセンスがJASRACと協議し、使用料金をJASRACから徴収してくる。間には文化庁も入ってくれるので心配ない』と説明した。しかし、文化庁やJASRACなどにこちらから確認したところ『そのような話はない』と言われたので三野氏に確認したところ、弁護士から『そのようなことは言っていない。(放送局が)直接料金をイーライセンスに支払わなければ裁判手続きを行う』と恫喝された」(高橋氏)。

 先の「アドオン発言」もそのような経緯の中で発せられたものとしたが、一方で「我々は当初から丁寧な対応を心がけていただけに、正直、余計なことを言ってくれたものだと苦々しく感じた」(高橋氏)と誤解を生む発言であったことを認めた。

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