公取委が招致したエフエム東京の編成責任者であった吉田氏への尋問では「当時、実際にイーライセンス楽曲を回避する動きがあったのか否か」に焦点が絞られた。
吉田氏は当時、自社の制作責任者らに対して「イーライセンス楽曲を利用する際の事前報告」を通達。その理由について「通常の楽曲利用とは異なるコストがかかるため」とし、コストコントロールの観点から必要最低限の利用(カウントダウン番組などへのランクインなど)にとどめておく意思があったため、とした。
公取委はこの点を重視し「仮に事前報告を受けた段階で、ほかの楽曲で代用可能と判断した場合はJASRAC楽曲への差し替えを指示したのか」と追求。吉田氏は「そうなったと思う」としつつも「実際に差し替えた事実はない」とした。
一方、JASRAC代理人はJASRAC管理楽曲を単価ベースで計算した価格(利用曲数/利用回数で計算。2000円程度)に対しイーライセンス楽曲が一曲6600円に値付けしていたこと、また利用報告漏れが発生した場合に6万円という高額反則金が発生する状況にあったことなどを指摘。必ずしも「JASRAC使用料金に対する追加コスト」という意識だけがコストコントロールの観点を生んでいたわけではないとした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)