動画ストリーミングと同様、Flashはインターネット上の「ゲーム」の配信テクノロジとしても非常にポピュラーな存在だ。Lynch氏によれば、ネット上で配信されているカジュアルゲームの約70%がFlashにによって制作されているとする。もちろん、こうしたゲームも「マルチスクリーン」に対応させるべく、Adobeとハードウェアベンダーとの間で協力が進められている。
基調講演では、Sony Pictures制作による2011年公開予定の映画「The Green Hornet」のプロモーション用Flashゲームを紹介。PCのブラウザ上とSamsungのAndroid端末である「Galaxy S」で同様のロジックが動かせる点が紹介された。Android端末向けには既に「AIR for Android」が公開されており、デベロッパーはFlash ProfessionalからAndroid向けのパブリッシュをすることが可能だ。また、同じロジックを使いつつ、端末独自のタッチ操作をオーバーレイとして追加したり、ハードウェアアクセラレーション機能を利用することも容易だという。
また、マルチスクリーン対応に加えて、Flashゲームのプレイ体験をコンソール機のゲーム並に高めるための機能強化の予定もアナウンスされた。例えば、Flash上で動くアクションゲームなどを一般的なゲーム用コントローラで操作できるようになるほか、より強化された3Dフレームワークを導入するといった内容だ。
この3Dフレームワークのデモンストレーションとして披露された「MAX RACER」と名付けられたレースゲームでは、リアルタイムに車体の色を変更できるほか、高速かつ自由な視点移動が可能。一方で、GPUを使ったレンダリングを行うことで、CPUにはほとんど負荷をかけずに3D表現が可能になるという。
まとめとしてLynch氏は、改めて現在起こっている「マルチスクリーン革命」の重要性について来場したデベロッパーに強調し、「これらのデバイスをどのように使って、ユーザーにどのような体験をさせるかを考えていってほしい」と述べ、初日の基調講演を締めくくった。
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