セブン銀行とNEC、新型ATM公開--取引時間を短縮、運用コストも削減

新澤公介(編集部)2010年10月18日 21時27分

 セブン銀行とNECは10月18日、セブン-イレブンやイトーヨーカドーなどに設置する新型ATMを公開した。2011年3月から順次導入していき、2015年9月末までにすべてを新型に切り替える計画だ。

 今回発表されたATMは第3世代であり、現行の第2世代と比べ、紙幣処理速度を毎秒6枚から毎秒12枚に、省エネモードからの復帰時間を7.6秒から0秒に、次の取引を開始するまでの準備時間を9.5秒から2.8秒にと、取引時間を短縮させるための性能向上を図っている。1万2000円を出金する際の取引時間の比較では、第2世代では36秒かかっていたが、第3世代では24秒と、取引時間が3分の2に短縮している。1時間あたりの利用可能件数を80件から100件に増やすことができるとしている。

二子石謙輔 セブン銀行代表取締役社長の二子石謙輔氏

 セブン銀行代表取締役社長の二子石謙輔氏は、「ATMを2台設置している店舗が現在、少なくとも1000店ある。給料日などのピーク時には迅速に対応できないこともあるが、今回の第3世代ではこれを解消できるのではないか」と自信を見せている。

 第2世代と比べて筐体の高さを低くしており、車いすに乗ったままでも操作できるようにした。左右のついたての大きさも第2世代の約2倍にしているほか、背後から操作画面が見えにくいディスプレイを採用して、プライバシー性を向上させているという。

  • 第3世代(左)は、歴代のATMと比べコンパクトになっている

  • 左右のついたてを従来比2倍にしているほか、背後からは操作画面が見えにくくなっている

 紙幣の取り出し口には、取り忘れ防止センサーを備えており、スピーカーからの音声により紙幣の取り忘れ注意を促す。紙幣を受け取らずに立ち去ってしまった場合には、本体上部に設置されているカメラが取引時前後の画像を保存し、ATM周辺のセキュリティを確保できるとしている。

  • 取り出し口には取り忘れ防止センサーを搭載

  • 上部のカメラにより、取り忘れや警報発生時の状況を記録する

木下学 NEC取締役執行役員常務の木下学氏

 NEC取締役執行役員常務の木下学氏は、「第3世代は、セブン銀行からの厳しい要求のもとで実現できた。10年間のイノベーションをもとに品質と性能を向上しており、利用者には使いやすさを実感してほしい」と述べた。

省エネや紙幣容量の増加によりコスト削減を実現

 第3世代では、取引画面とセカンドディスプレイのバックライトをLED化するとともに、取引時間以外は常に省エネモード状態になるようにした。これにより1台あたりの消費電力は現行機比で約48%削減しているといい、セブン銀行が全国に設置する1万5000台で換算すると年間約7118トンのCO2を削減できるとしている。

 また、紙幣を収納する現金カセットの数を3から5へと増やしており、現金の補充にかかるコスト削減を図っている。これにより月1回の交換で運用可能なATMの割合が、これまでの60%から80%を占めるようになるという。

 第3世代はまず、この11月に八王子市などの西東京エリアに約50台テスト設置する。その後、2011年3月から東京都を中心に300台を順次導入していく。2011年度には東京都や静岡県、山梨県を中心に3000台設置する予定だ。2015年9月末までに全国への設置が完了する計画という。

安斎隆 セブン銀行代表取締役会長の安斎隆氏

 セブン銀行のATMは、2001年7月に1000台、2003年3月に5000台、2005年4月に1万台を突破し、2007年12月に全国に設置され、10月現在の台数は1万5000台に達するという。1万7000台まで台数を増やしていき、約1割に相当する1700台はセブン&アイ・ホールディングスのグループ外にも設置するという。

 セブン銀行代表取締役会長の安斎隆氏は、「ATMは経営の根幹である。そもそもはセブン-イレブンで現金を下ろしたいというニーズから始まり、今年で10年目を迎えた。1万5000台設置し、毎月5000万件の取引があり嬉しい限り」とコメントした。

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