旧バージョンの「Internet Explorer(IE)」に最新ブラウザの機能を組み込むプラグイン「Google Chrome Frame」が「安定版」になった。これでChrome Frameを広く利用してもらう体勢が整ったとGoogleは考えている。
プログラマーのTomas Gunnarsson氏とRobert Shield氏は米国時間9月22日のブログ投稿で、「何カ月もかけて調整した結果、Google Chrome Frameは『Windows Vista』および『Windows 7』上で3倍も速く起動するようになり、ほかのプラグインとの最も一般的なコンフリクトも修正された」と述べている。1年ほど前に開発者向けプレビュー版が登場したChrome Frameは、2010年6月にベータ版に進んだ。その際プログラマーのチームは、6週間というサイクルでリリースされるスタンドアロンの「Chrome」ブラウザに合わせて、Chrome Frameをさらに改善していくと約束していた。
ウェブ開発者の間では「IE6」の評判がよくない。標準にきちんと対応しておらず、JavaScriptのサポートが遅く、設計上の安全性が高くないことを、開発者側が考慮しなければならないからだ。当のMicrosoftもまた、IE6が置き換えられることを強く望んでいる。しかし、Chrome Frameはこの問題へのアプローチとして不可解だ。IE6が誕生した2001年以降、IEには2つのメジャーリリースが登場しているし、ほかにもIE6に代わる無料のブラウザがいくつもある。新しいブラウザをインストールする代わりに、IEの脳移植を選ぶ理由が見えてこない。
Chrome Frameはほかにも課題を抱えている。ウェブサイトの運営者がChrome Frameに対応するには、ページを読み込む際にChrome Frameが参照するコードを1行追加しておかなければならないのだ。
IE6は「Windows XP」とセットで出荷された。Windows XPは、特に企業環境で現在も広く利用されており、社内アプリケーションがほかのブラウザでは機能しないというケースがある。IE6を使うのをやめたいけれど、システムが会社のIT部門によって固定されていてできないという人も多い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス