NECは9月16日、クラウドコンピューティングを活用したオフィスソリューションの新サービス「UNIVERGE Live」を発表した。合わせて、同社が提供する各種ネットワークサービスを「UNIVERGE ネットワーサービス」として再整備。また、オフィス向けソリューションとして「UNIVERGE オフィスソリューションパック」も同様に再整備し、これらを組み合わせた提案を「WaaS(ワース、Workplace as a Service)」として、中堅中小企業を対象に展開を図るという。
同社ではWaaSを、「サービスを利用することで、安心・安全なワークプレイスを実現するもの」と定義し、今後の提案活動などにこの言葉を活用していく考えだ。
NEC執行役員の保坂岳深氏は「NECは、クラウド指向データセンターの各種サービスを提供する一方で、オフィスの机の上のPCまで面倒をみてきた。オフィスのクラウド化にはこうした実績が必要であり、さらにこれらを結びつけるネットワークサービスが重要な意味を持つ。オフィスや工場、店舗といった現場での導入実績によるノウハウとともに、これにクラウドサービスとネットワークサービスを組み合わせることで、BB(ブロードバンド)オフィスからC&Cオフィスへの進化を提案できるようになる」と説明する。
また、NEC執行役員常務の山元正人氏も、「C&Cオフィスとは、“持たざるIT”を実現するクラウドサービスとネットワークサービスを、既存のオフィスソリューションに融合するものであり、オフィスや現場のワークプレースで働く人を支援し、知の活用を促進するものになる。同時にオフィスのコスト削減とエコの実現、企業内および企業間のコラボレーションの活性化により、企業力を向上できる」とした。
UNIVERGE Liveでは、オフィスのICT環境を、NECのデータセンターを活用したクラウドサービスとして提供する。利用者は、最新のサーバやネットワーク機器、ソフトウェアなどを自社で所有せずに、各種の機能が利用できる。ワークスタイル革新を支えるためのサービスメニューを、「IT運用管理支援」「コミュニケーション支援」「セキュリティ支援」の3つのカテゴリでそれぞれに用意。さらに、これらのメニューをベースにして、用途ごとにメニューを組み合わせたサービスパックを3種類用意することで、顧客の導入の容易さ、パートナーの提案のしやすさを実現するという。
サービスパックは、メール、ストレージなどの運用支援を目的とした「UNIVERGE Live エッセンシャル」、グループウェア、ウェブ会議などのコミュニケーション強化を目的とした「UNIVERGE Live フュージョン」、ファイアウォール、ウェブフィルタリングなどのセキュリティを提供する「UNIVERGE Live シェルター」で構成される。これらのパックによって、「オフィスのICT運用の負荷を軽減したい」「社内外とのコミュニケーション強化したい」「手間をかけずにセキュリティを確保したい」といった顧客ニーズに対応できるという。
販売価格は、UNIVERGE Live エッセンシャルの場合、1ユーザーあたり月額800円(税別)から。出荷開始は2011年1月からとなる。自社による販売に加え、販売パートナーを通じた拡販も展開する。販売パートナーは、顧客の管理ポータルサイトを通じて、サービス契約状況、サービス稼働状況、課金情報などを一元管理できる。新たなソフトを追加する際などの課金管理やライセンス管理も可能になるという。
一方、UNIVERGE ネットワークサービスは、UNIVERGE Liveとの接続に必要なネットワークを短期間で提供できるサービスとしており、販売価格は月額2万4600円(税別)から。出荷開始は10月から。UNIVERGE オフィスソリューションパックは、NECがこれまでブロードバンドソリューションセンターで実践してきた各種ソリューション群を仮想アプライアンス化して提供するサービス。販売価格は248万円(税別)からで、出荷開始は10月からとなっている。
同社では、来年度以降、UNIVARGE製品を取り扱う海外3000社のパートナーを通じて海外展開を開始するほか、2012年度には200億円の売り上げ規模を目指す。また同社では、神奈川県川崎市の玉川事業場内に玉川ソリューションセンターを設置。同センターを通じて、C&Cオフィスの実践を行い、そのノウハウを顧客、パートナーにも展開していくという。
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